頑張ること、第4章 終話 深まったもの
雀が朝、チュンと鳴きあっている、そう五月蠅い目覚まし時計で無理やり起こされた俺はあれから全く寝てない、昨日はテレビを見て夜更かしをしてしまった。
正直今からでも二度寝したいが、今日は学校なので流石に起きなきゃいけない。
健太「あ~」
自分でも声が響くなって分かるくらい、欠伸をしたあと、制服に着替え、リビングでテレビを見ることにした、いつの間にか、部屋でスマホをいじるのが日課だったのに、サリー君と会ってからテレビを見たらSPARKのことをやってるのかと思ってしまい、気になってテレビを見ることが日課になっている。
俺はリビングでテレビを付けた
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特に気になること、まあSPARK関係のことは全然やってなかった、まあ普通にテレビを見るのも悪くないかな、そう思い俺は家を出た
健太「今日は居ないな・」
いつもなら居るはずの直人が居なかった、いや別に居なくてもいいんだけど、朝の登校はとても静かだった、彩美も今日は見かけないし、他の女子と一緒に行ったのかなと思い気にしなかった。
健太「うるさくないな・・」
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希望ヶ丘中学校
1年3組
努気先生「おお、おはよう水ヶ谷!」
健太「おはようございま・・」
努気先生「なんだ寝不足か~、ちゃんと寝ないと集中できないぞ」
健太「ふみまへん」
努気先生「まあ眠気と闘ってくれ」
無理に早起きするとこうなってしまう、学校の道のりが坂なだけ、疲れて眠気が襲ってきた、あ~ベットでゴロゴロしたい。
覚束ないまま自分の席に着席した。
桜「おふぁよう健太君」
桜もどうやら寝不足なのか目の下に隈ができていた。ただその目の隈でさえ華奢に見えてしまう、おかげで俺は目が覚めた
健太「あれ、桜も寝てないの?」
桜「うん、なんだか眠れなくて、ほんの少ししか寝てない」
健太「俺もだよ~」
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努気先生「あれ、そういや大樹は今日遅いなぁ、もうすぐ朝の会始まるぞ」
タッタったと、足音が聞こえる、とてつもなく目立った
直人「ハァ、セーフ」
直人が息を切らしながら教室に入っていた。汗が滲みでている。
努気先生「大樹、いくら遅刻ギリギリでも廊下を走るのはよくないぞ!」
直人「すみません、ヴェへ」
息が整ってない中、謝る直人、いつもとは違う目つきではあった。
努気先生「次からないように」
直人「はい」
直人は疲れた様子で席に着席した。
彩美の姿は無かった
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昼休み
直人「なあ、彩美は?」
健太「直人も何も知らないとは・・」
いつもの場所で男二人、桜は女子のグループで話し合っている、
直人「え、マジ?」
健太「いや昨日一緒に帰ったんじゃないのか?」
直人「帰ったけど、可愛かったくらいで、別になんとも」
健太「・・そっか」
直人の会話から察するに昨日特別何かあったわけじゃなさそうだ。
健太「じゃあ、風邪かな、」
直人「ええ、勉強会大丈夫かよ」
少しぞわぞわと胸騒ぎした、心配だった。ただ
健太「そういや、直人お前、桜と仲直りしたのか?」
直人「さ、桜?」
直人がキョトンと、犬のような顔をしている
健太「あーごめん、高山桜のこと」
直人「お前らいつの間にそんな仲良くなってたのかよ・・」
健太「まあ昨日色々あってな」
直人「マジか、ありすぎて訳分かんねー」
直人が軽く引いてるのが何故か伝わった、俺はそっと小言を言いたくなったが、俺は我慢した、これからは余裕を持つ姿を桜に見せたいから
健太「とりあえず、今日三人で一緒に帰らない?」
直人「さ、三人でか!」
健太「驚きすぎだろ」
直人「だ、だってよ」
直人の顔が青くなっていくのが分かる、まるで冷たいアイスを食べたあと、頭が痛むような顔をしていた。
健太「だって仲直りした方が気分がいいだろ」
直人「ま、まあそうかもしんねーけど」
健太「じゃ、決まりだな」
直人「ちょ、おいおい」
健太「もうすぐ、次の授業の時間だぜ!」
直人「ってマジかよー、タイミングゥぅぅぅうう」
教室がほぼ、直人の嬉しい悲鳴?で溢れている、直人はその場を変えることができるから、ほぼクラスの注目を浴びる、正直そのオーラ俺にも分けてほしいなと思い、俺はせっせと教科書を取り出し、自分の席で勉強体制を整えた
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帰りの会
努気先生「まあ、今週もお疲れさまでした、来週は短縮授業です。残りの1学期、皆で楽しみましょう!」
「気を付け、礼」
「さようなら」
皆が一斉にばらける、
努気先生「高山、水ヶ谷、大樹、ちょっといいか?」
健太、桜、直人「はい」
努気先生「これだ」
先生から呼ばれて集まった俺達三人はある紙を渡された
直人「SPARKからの招待状!!」
そうこれはSPARK施設の見学、今話題になっている宇宙船騒動、まあ俺らが宇宙船を動かした訳だけど・・宇宙船の事など、色々やってくれるらしい・
SPARKのあからさまな子供騙しの招待状はなんだか、全てお見通しと言われてる気分だった
健太「先生、これは?」
努気先生「見ての通りだ、SPARKの方から実際に声があってな、今を夢見る中学生から、少しでも宇宙に興味を持ってもらいたい、そしてSPARKの方が直々に抽選を行い選ばれたのがこの三人、あとは虹川だな」
桜「そうなんですね・・」
いや明らかに怪しい、こんな偶然あるのか、もしかしたらSPARKは全てお見通しだってことか、いやなら連絡があるはず、こんな形でコンタクトを取ってくるとは、ここで‘はい‘って言ったら、行くってなったら俺達はどうなるんだ・・
健太「また、後日返事でよろしいですか?」
努気先生「ああ、分かった、終業式までには返事がほしい」
健太、直人、桜「はい」
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下駄箱
桜「・・・・」
直人「・・・・」
お互い長い沈黙が続く、まるで時が止まったみたいに、表情は変わらず、黙々と風が流れる
健太「いや、今日は疲れたな~」
直人、桜「だね」「だな」
直人、桜「・・・・
桜と直人の声が重なる、これ以上の反応し難いハーモニーはあるだろうか・
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校舎を出た、俺の気持ちは焦るばかりだ、早く時が過ぎ去ってしまえばいい、そして何事もなかったように日々を過ごしたい、過ごしたいんだ。
直人「。。」
これでいいのか、彩美が悲しむんじゃないか、俺はこれ以上、自分を騙していいのか、いや
直人「あのさ」
桜 「あのさ」
どうしてこんなに話すタイミングが合う、辛いよ
健太「お互い言ってみなよ、そしたらきっと晴れるよ、心が」
桜「健太君・」
直人「そうだな、心が晴れるか」
本当に健太は時々可笑しいことを言う、だがその可笑しなことが前を進めているのなら乗ってみるか
直人、桜「「この前はごめんなさい」」
直人「俺、この前あんなに、人の気持ちを考えず、高山に当たったりして、」
桜「私も、直人君に最低なこと言ってしまって」
直人「それは俺も同じことだ」
桜「けど、私も嫌なこといっぱいして」
直人「それは俺も、」
健太「さっきから二人共、同じこと言ってるね」
直人、桜「いやけどそれは 私 俺 が・・」
本当に姉弟かっていうくらい息が合う
直人「いや俺の方が何百倍酷いことしてるから」
桜「いや私の方が酷いから」
直人「いや俺が」
桜「いや私が」
直人「いや俺だって」
桜「いや私だって」
直人、桜「「だから」」
健太「分かってるんじゃない、本当はそんなこと」
直人、桜「「ごめん」」
直人「ッ」
「「「アハハハハ」」」
三人まるで小学生みたいに隣町に聞こえるんじゃないかっていうくらい、馬鹿みたいに笑った、まるで幼稚園に戻ったみたいだった。
桜「本当に二人共面白いね」
直人、健太「えー-」
お互い涙を浮かべている、嬉しい涙ってこんなに良いものなんだ
直人「あ、いけねいけね」
健太「どうした?」
俺は慌ててカバンから昨日彩美と買ったお菓子や、俺が買った菓子を、そして手紙を取り出した
直人「高山、良かったらこれ受け取って!」
桜「これ・・」
高山は驚いていた、まるで小さい子がぬいぐるみをプレゼントされたみたいに、
直人「それ、俺が菓子買うって言ってたやつと、彩美が買った奴とあと俺からの手紙」
俺の腕は物でいっぱいになっていた、ほぼお菓子が原因だ・
桜「あっりがとう!」
一瞬の溜めがあったが、高山は快く俺のプレゼントを受け取ってくれた、如何に女子っぽいリュックにプレゼントを注ぎ込み、リュックがパンパンになっていた。
健太「良かったな桜!」
桜「うん!」
桜「直人君も良かったら私の事、桜って下の名前で出来れば呼んでほしい」
直人「・・・・」
桜「ダメかな?」
直人「いや、分かったよ桜!」
桜「ありがとう!」
幸せな帰り道だった、ただ一つ彩美が居なかったことを除いて
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高山桜へ
これまで散々酷い言葉を掛けてごめんなさい。
俺は高山と違って、自分から動かないと人が寄ってこなかった
俺は自分に素直になれず、苦労した、けど高山は真っ直ぐだった
そして彩美も高山の和に入って行った。
俺いずれこのまま一人になるんじゃないかってずっと当たってきた。
申し訳ないことしたなって思ってる。
許してくれなくてもいいから、ただ健太と彩美とは仲良くやって欲しい。
あの二人は笑ってほしいから。
今までごめんなさい
大樹直人より
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自分の部屋で真っ暗闇の中読んだ手紙は涙で溢れかえったよ、
私の為に、勿論
桜「許すよ・・」
誠実って言葉が直人君に似合うなって
幼馴染の居ない私にはとても羨ましいよ・・
ありがとう、
仲間になれたよ、
第5章へ続く・・
自分の生き方を見つけたい! 愛歌勇 @ofof
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