第38話 凪story epilogue

「四日目はオークかよ……」


豚顔の巨人を見て、和彦さんはそう呟いた。


「オーク?」

「ああ……、異世界ものの小説だと割とポピュラーな魔物でな、総じて豚ヅラの顔に巨大な肉体で書かれている。性格も凶暴かつ人間を食べることで有名だ。あれがどうかは知らないけどな」


名前は有名で私も知っている。けど、姿形として見たのはこれが初めてだ。

ただ、少し離れているのにも関わらず聞こえてくる鼻息と、口の端から垂れる涎、そしてそのギラついた眼光と右手に持つ野太い金棒はとても友好的な魔物とは思えない。


大の大人ほどの太さと硬さを持つ、あんなでかい鉄の塊をぶつけられれば人間などひとたまりもないだろう。


隠れるもののない広間のど真ん中に陣取り、敵が来るのを今か今かと待ち受けるその姿は、まるでゲームのボスの様な佇まいだった。


「小説とかだと雑魚敵扱いで現れるんだけどな……。どう見たってラスボスだろ……」

「如何致しますか?」

「戦うっすか? それとも、戻って別の道探すっすか?」

「あれと戦うとか無理だろ流石に。そうなると別の道か……。凪の権能捜査フォーカスでは抜け道は見つからなかったんだろ?」

「はいっす。で、でも頑張って三人で見つければ……」

「うーん……どうだろうな。……いや、多分ないだろうな。お前の捜査フォーカスを俺は信用している」

「え! えへへ、ありがとうっす!」


信用していると言われて素直に嬉しくなってしまう。


「和彦様、私の権能はどうですか?」

「えっ。ああ、もちろん紬の権能も信頼しているよ!」

「うふふ、ありがとうございます」


紬の圧に押された和彦さんが引き攣りながら褒めていた。


「戦うか、それとも戻って別の入口を探すか……」


天井を見上げ、考えていた和彦さんが再度私達を見て聞いてくる。


「二人はどうしたい?」


和彦さんに聞かれて改めてオークを見る。あれはどう見ても、軽装備で戦う相手ではない。紬の鉄砲水ウォーターガンはこれまでの道のりで強さは見ている。しかし、あの肉厚の脂肪を貫通できるとは流石に思えない。


一応、オークが見えた時に、捜査フォーカスを使ってみたのだが、体の構造自体は他の生物と同じで、臓器の位置は人間に近い。


左胸中央寄りに心臓、肩甲骨の辺りには肺、下っ腹には小腸大腸があり、頭の中には脳みそがちゃんとある。

体には血もちゃんと流れており、首筋には頸動脈もある。


だが、そのどれもが分厚い脂肪で覆われており、頭部ですら拳銃程度では貫かないと、私の捜査フォーカスが教えてくれている。

多分、紬の鉄砲水ウォーターガンでも貫けない。


一応、オークの弱点も教えてくれる。

まずは他の動物と同じで火に弱いとのこと。特に体中が脂ぎっている為、よく燃えるらしい。

そして切断にも弱いらしい。


だが、私達のパーティにはそのどちらもいない。

これは流石に無理だ。諦めるしかない。


「じ、自分は危ないと思うっす。別の道を探した方がいいっすよ」


そう思って私は引く事を選んだが、紬は首を横に振る。


「いえ、ここは進むべきかと愚行致しますわ」

「紬は進むべきって考えてるのか。あのオークを倒す手段があるのか?」

「はい、御座います。ただ、ここにいるメンバーだけでは……。和彦様、もし宜しければ背後からついてきていらっしゃる、にもご協力いただけると幸いです」


紬の言葉に、和彦さんは露骨に表情を変える。


「気付いていたのか?」

「はい。家柄、自分に付き纏う方には敏感ですの」

「……そうか。分かった」


それを聞いた和彦さんは諦めた様に肩を落とし、背後に合図を送る。


すると、アーチェリーを手に持った小柄な少女が一人、陰鬱そうな表情をしながら歩いてきた。


「え、あの人見たことあるっす!」

「ああ、お察しの通り、彼女があの弓術の天才、柏木琴音かしわぎことねだ。黙っていたことは悪かった」

「……」


和彦さんに紹介されても、柏木さんの顔はむすっとしたまま微動だにしない。


「ちゃんとお話しするのは初めてですわね。私は花京院紬と申しますわ。どうぞよろしくお願い致します」


動かない柏木さんに私がオロオロしていると、紬が一歩前に出て挨拶をする。

しかし、当の柏木さんはそのむすっとした表情の中にある真っ黒な瞳を細め、まるで紬を睨むかの様に見ている。


どうもこの二人には何かある様に思える。そういえば、私は二人が襲われた状況を聞いていない。もしかしたら柏木さんが襲われた状況と紬が襲われた状況に、何か因果関係があるのだろうか。


そう思っていると、とうとう沈黙に耐えきれなくなったのか、柏木さんが口を開く。

ただ一言……。


「……私は貴女達を許さない」

「っ!?」


そんな恨み節を言った。紬の瞳は揺れ、右手で左腕をギュッと掴み、唇を噛み締めながら言葉を紡ぐ。


「あれは……事故ですわ。私も……それに貴女も……見ていらっしゃったのでしょう?」

「……事故? 貴女達がいなければ私の家族は逃げられた。貴女達が私の家族を巻き込んだんだ!」

「私達も、それに運転手の大和田様も私達を逃すのに必死でした……。巻き込んでしまったことは心からお詫び申し上げます。ですが……」

「謝罪の言葉なんて聞きたくない!」


やはり二人には因縁があった様だ。あんな辿々しく、弱々しい紬は初めてみた。それに感情をむき出しにする柏木さんも、だ。


テレビで見た限り、彼女は感情が薄く、薄暗い雰囲気が漂っていた。事実、彼女は日本大会で優勝した時も、世界大会で表彰台に上がるという快挙を成し遂げた時も、一度も笑わなかった。ただずっと、陰鬱そうな瞳をカメラに向けていた。


そんな彼女があそこまで感情を剥き出しにするとは、恐らく誰も信じられないだろう。


私はこっそり和彦さんに近づいて、二人の関係について聞いてみる。


「二人の間に何があったっすか?」

「あー、そうだな。話した方がいいか。二日目、何の魔物が出たか覚えてるか?」

「もちろんっすよ。ホブゴブリンっす」

「そうだ。そいつらがな、紬とその家族が乗っていた車の前に、突如として大量のホブゴブリンが現れて襲われたらしいんだ」

「ホブゴブリンが人間の乗った車を襲う……?」


状況は分からないが、都内であれば周りに沢山人がいたはずだ。確かに紬が普段乗っている車は海外からオーダーメイドで取り寄せた高級外車であり、誰が見ても一目で高級なことが分かる車だ。


だがしかし、それは人間が見た場合であって、ゴブリンやホブゴブリンが見てもただの黒い箱にしか見えないはずだ。


しかも紬の家柄、窓ガラスは防弾仕様のはずで、硬く速い車をわざわざゴブリン達が襲う理由がわからない。


「意図的に狙われた……すか?」

「俺と紬、それに柏木もそうみてる」


私の推測に和彦さんは頷く。


「話が脱線したから戻すが、そのホブゴブリンに襲われて逃げている最中、車のフロントガラスにホブゴブリンが覆い被って、運転手は前が見えず、そのまま歩道に突っ込んだらしいんだ。幸い誰も轢きはしなかったらしいんだが……。不幸にもその事故った車の真横にいたのが……」

「柏木さんの家族……」


あとは簡単に想像がつく。恐らく柏木さんの家族は突然のことに硬直し、動けなかったことだろう。

そんなところに大量のゴブリンとホブゴブリンがきてしまったらどうなるか。


「俺がその場に到着した時にはもう、周りにはあの二人しか生き残ってなかったよ……」

「……」


悲痛そうに呟く和彦さんをみて、私の心も痛む。


「で、でもそれって事故なんじゃ……」

「ああ事故だ。誰が悪いかって言ったらゴブリン達で、その元凶が悪い。だが、紬の乗った車がゴブリン達を引き寄せ、結果的に柏木夫妻を死に至らしめた遠因を作ったってのも事実だ」

「そんな……! それは……!」

「ああ、分かってる。こんなの事故だ。車の運転手だって必死だったはずだ。自分の命や紬の家族達の命を守るための必死な行動のはずだ。どうしようもなかったんだ。だが……、柏木はそうは思えないみたいでな。見ての通り紬を……、花京院家を恨んでる」

「そんなのって……あんまりっすよ……」


自分も最初は自衛隊を恨んだ。しかし、彼らの不可解な行動からレイスに操られていたのかも、と分かった時、既に私の自衛隊への怒りはほとんど無くなっていた。悪いのは魔物であり、この事件の元凶だ。

被害者同士で憎み合うなんて間違っている。


どうにか解決できないものか。


私がそう考えていると、和彦さんが私の肩にポンと手を置く。


「この事件を解決して、事の元凶に然るべき罰を与えたら、きっと二人とも許し合えるさ」

「そう……すかね?」

「ああ、柏木だってそれは分かってる。だからこうやって俺達の後ろから付いてきた」


そこではたと思い出す。地下に降りる前、和彦さんが声をかけていたのは彼女だったのか、と。


「じゃあ早くこの事件を解決しないとっすよね!」

「ああ、彼女達の為にも、被害者達の為にも先を急がないとな」


そう二人でガッツポーズを決め、笑いあってから未だいがみ合う二人に近づいていく。


「お二人さん。その話し合いはこの件が片付けてからにしてくれ。二人とも、仇を討ちたい気持ちは同じなんだから」


そう言って和彦さんが宥めるが、二人の、というより柏木さんの剣呑な雰囲気は消えない。


「そうっすよ! 私も、その……家族を失ったっすけど、まだ悲しんでいられないっす! ちゃんと……ちゃんとこの事件を解決して……それで……あ、あれ……?」

「お、おい……」


不意に両親を思い出してしまい、瞳から涙が溢れそうになってしまう。だが、私は両目を袖でぐしぐしと擦り、再度満面の笑みで二人に笑いかける。


「大丈夫っす! まだ悲しんでなんかいられないっすよ! 自分にはやることがあるっすから! だから二人とも、ここは協力して欲しいっす!」


そう言って私は頭を下げる。


「「……」」


暫くの沈黙。そして……。


「……分かった。ここは協力してあげる。このアーチェリーで……」


紬から視線を外すと、今度は私の方を見る。その瞳は先程までと違い、柔らかく、優しい目をしている様に見えた。


陰鬱で暗い瞳などと言われていたがとんでもない。間近で見つめられた私には分かる。その瞳の奥にはとんでもない輝きが宿っていた。これがネットで騒がれていた、柏木琴音が試合中のみ魅せる、人を惹きつけるカリスマ。

そんな瞳に見つめられ、私は少し頬を赤くしてしまう。


(い、いやいや! 自分、女には興味がないはずっす!)


などと内心言い訳をしてしまう。確かに現状を変えてくれるなら、白馬の王女様でも良いと言ったが、それは恋愛の話ではない。

だがしかし、私は恋をしたことがない。だがら自分が男が好きなのか、それとも女の子が好きなのか、まだ分からない。


(もしかして私……)


思わずそう思ってしまうほど、私は彼女の瞳に吸い込まれていた。


「……貴女、名前は?」

「えっ、自分っすか?」


そんな時、突然彼女から声をかけられたので慌ててしまった。


(は、恥ずかしい……)


顔を赤くする私を見て、柏木さんはクスリと笑う。


「ええ、貴女よ」

「あ、そ、そうっすよね! はははは……、じ自分の名前は楠凪っていうっす!」

「そう。ふふふ、私は柏木琴音。琴音って呼んで。貴女とは友達になれそう」

「そ、そうっすか? それはよかったっす! 自分のことも気軽に凪って呼んで欲しいっす!」

「ええ、凪」

「はいっす! 琴音!」

「ふふふ」

「あ、あはははは」


何故かとても嬉しくなってしまい、二人で笑いあう。


「あ、あー、えーと……、悪いんだが、話の続き、してもいいか?」


和彦さんの声にハッとする。

思わず見つめあってしまっていた。少し離れてはいるが、今からオークを倒さなければならないのだ。気を引き締めねばならないのだ。

慌てて和彦さんの方に向き直り、頷く。


「もちろんっすよ! 話の続き、お願いするっす!」

「……うん」

「私にもお聞かせいただけますか?」


私達三人が頷いたのを見て、和彦さんは話し始める。


「んじゃ、始めるか。凪、オークに捜査フォーカス使ったか?」

「もちろんっす!」

「じゃあ脂肪の厚いところとか、弱点とか教えてくれるか?」

「はいっす!」


和彦さんに聞かれた私は、捜査フォーカスで手に入れた情報を余すことなく三人に伝える。


「なるほど……。狙うとなるとやっぱり目か……」


眼球までは流石に脂肪で包まれていない。位置が高く、かつ人間並みの大きさの動く動物の目に攻撃を当てるなど相当な技術を必要とする技だ。

当然私には出来ない。そう思って二人を見る。


「では、そのお役目、私が……」

「……私がやる」


紬が重要ポジションに就こうとするが、それを琴音が割り込む。


「……私がやった方が確実。……ちゃんと一撃で仕留める」

「柏木さんはの武器はアーチェリーですわよね? 片方の目を射抜いてから、もう片方の目を射抜くのは難しいのではなくて? 私なら両手から同時に鉄砲水ウォーターガンを放てますわ」


何故だろう。紬から少し寒い空気が流れてくる。和彦さんも同じようで、ハラハラしながら状況を見守っていた。


しかしそんな中、琴音は毅然とした態度で言い返す。


「……何も問題ない。一射で二本同時に放って両目を射抜く」

「え、そんなことできるっすか?」

「……出来る」


驚く私に琴音はゆっくり頷く。


「そ、そうですか! ならやってみるといいですわ!」

「……そのつもり」


いつもお淑やかな紬がこのような態度を見せるのはとても珍しいことだ。


「本当に出来るんだな? 魔物とはいえ生き物の両目を射抜くことも含めて」


和彦さんが念入りに質問をしている。そうだった。アーチェリーでは生きた的は使わない。生き物を殺すことに躊躇して仕舞えば手元が狂いかねない。


それはこの場にいる全員を危険に晒す行為となる。


だがしかし、琴音は尚も首を縦に振った。


「……もちろん。魔物ならもう殺してる。それに……、両親を殺したあいつらに慈悲なんてかけない。絶対殺す」


和彦さんは琴音の殺気にゾクリとした身震いをし、頷く。


「……分かった。信用する。囮は任せろ。収納空間インベントリの瓦礫やら何やらでなんとかする。定点移動ムーブポイントでなんとか気をそらすからその内にチャンスがあればやってくれ」

「……分かった」


和彦さんの指示に琴音は素直に頷く。


「紬は一旦俺の収納空間インベントリに入ってくれ。いいタイミングで出て囮役だ」

「……畏まりました」


不本意でたまらないと言った感じだが、それでも紬は和彦さんには笑顔を見せて頷いた。


「……で、凪なんだが、お留守番だ。ここで俺達を応援してくれて」

「ええー! 何でっすか! 自分も囮役やるっすよ!」

「いやお前戦闘系の権能も逃走系の権能も持ってないだろ。却下だ」

「ええー、嫌っすよー……」


尚も食い下がる私だが、和彦さんは冷酷にも首を横に振ってしまう。


「気持ちはわかるがここで待っててくれ。万が一にでもこんなところで死んだら仇を討てなくなるぞ」

「それはそうっすけど……、でも! それでもしもみんなに何かあったら……!」



そう渋る私を見て、和彦さんはため息を吐くと、胸のポケットから一冊のメモ帳を取りだす。


「これ預かっておいてくれ」

「これ、なんっすか?」

「これはここ四日間について俺なりに集めた情報やら何やらを書いた大事なメモ帳だ。レイスの弱点や魔物の発生位置の規則性、勿論この場所のことも書かれてる。俺たちに何かあったら、これ持って頼れる人を探せ」

「えっ! 嫌っすよ、自分で持っててください!」

「命かけて戦う以上リスクは考えるべきだ。俺達に何かあったらお前が何とかするしかないんだ。だから、頼んだぞ」


和彦さんは真剣な眼差しを私に向けて、嫌がる私に手帳を押し付けてきた。


「当たり前だが死ぬ気はない。つうか勝つ。行くぞ、二人とも!」

「……うん」

「はい!」


そして……、和彦さんと紬は見事囮役を務め、更に、琴音は一射でオークの両目を見事貫き、更になる一射でオークの開いた口の中に命中、頚椎を砕きオークを戦闘不能にした。


そんな時だった。地鳴りのような音が辺りに鳴り響き、薄暗かった地下道の壁一面が真っ赤に光出した。


「やばい! 全員、俺のところに来い!」


和彦さんはそう叫び、私たちを呼び寄せる。

しかし、和彦さんの元に向かおうとした矢先、目の前に巨大な岩が落ちてきて道を塞いでしまう。


「和彦さん!」

「くそ! 凪、ちょっと待ってろ! とりあえず二人だけでも……」


そんな声が岩の奥から聞こえてくる。そして続けて聞こえてくるのは和彦さんの驚きの声だった。


「なっ!? 収納空間インベントリに入れないだと!? 何故だ!?」

「和彦さん! 和彦さん! 返事をして欲しいっす!」


私は何とか岩をどかそうと踏ん張るが、揺れて安定しない足場と、巨大な岩ということもありびくともしない。


「凪ぁぁ! 聞こえるか! お前だけでも早く逃げろぉ!」


和彦さんのその声が、私の脳裏に焼きついた父親の叫び声と重なる。


「嫌っす! 自分も、私も一緒に行く!」

「早く行けぇぇぇぇぇ! 俺達を置いて逃げろぉぉぉぉぉぉ!」

「嫌! ここにいるよ!」

「早く行けぇぇぇぇぇ!」


和彦さんの声が段々と遠のくのが分かる。地面が床に沈み始めているのだ。


そして、私が最後に聞いたのは、崩れ落ちる地面の音と、私に逃げるように叫ぶ和彦さんの声だった。




……。


凪story完結致しました。

次回より、和彦視点となります。


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