色に対する認識を失っていく世界が描かれている、美しく情緒あふれるSF作品。切ないほど鮮やかに色が記憶を呼び覚まし、心が揺さぶられます。読んでいる間、とても素敵な時間を過ごすことができました。
観点、発想がすばらしい…!私なら絶対に絶対に思いつかないような切込みに、ワクワクしながら読み進めました。このお話を読んで、色というものがどれだけ私達の日常、想い出に関係しているのか考えさせられました。本人達は記憶の片隅にしかなくても、好きな人の顔を見て、笑い合う背景にある夕焼けの空とか。ステキなお話ありがとうございました!(≧▽≦)♪
環境破壊の影響で、人類が赤色を見ることが出来なくなって久しい世界。生まれつき赤色の見えない「私」は、海沿いに暮らしていた。現在の私達にとっての当たり前が失われてしまった近未来が舞台のSF短編。赤色について語る主人公たちの言葉に、本当に赤色が無くなってしまったのだと感じられました。しかし、どんな世界でも、人々は青春を送り、誰かを愛します。不変の美しさ、そして、失われたものへの愛情を深く感じる一作でした。
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