逆さ雨
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逆さ雨
山と山の間の谷に細長い集落をつくるリンガンという村は、最盛期から比べると少なくなったとはいえ、崖から採れる貴重な鉱石で栄える場所だった。山と山の間の谷というのは風が常時通りやすく、一年で風の強い日が多くを占めるため、発電、粉挽き、麓から坑口までのケーブルカーの動力などのために風車が使われ、生活電力も基本的には風車を使った風力発電で賄われる。この村に訪れる人は、様々なところに点在する風車とその動きを伝える歯車が目に入ると言う。村章が風車をモチーフにしているところでも、この村の人たちにとってのアイデンティティであり、日常で最も目にすることの多いものの一つであることがわかる。
そんな風車の村に、年に一度だけ観光客で賑わう日がある。毎年、夏に入る直前の一日だけ地面から水の粒が吹き出て空へ向かっていく奇妙な現象が起こるのである。古くからこの現象のことを「天還り」、「逆さ雨」などと呼ばれ、リンガンという村の名前も、今ではもう使われなくなった言語で「上る」という言葉からきていると伝えられている。「逆さ雨」がどういう原因から起こっているのかは未だ解明できていないが、少なくとも広い世界で唯一この村で起こる現象だというので、今日ではその日になると国内外からの見物客でごった返し、一日だけとはいえ村の人口の三倍近くの人が訪れるわけだから、村の観光としても重要な収入源になるお祭りとなっている。
サラはこの村の外れに両親と住んでいた。家から五分もすれば車道に地名であるリンガンという表記に斜線が引いてある標識、つまりこの標識から先はこの村から出ることを示唆する標識が立てられている。村自体も先述した通り、東西山に挟まれ南北に細長く、中心地へ行くにも車で約三十分、自転車でも一時間近くかかった。そんな辺鄙なところで住んでいるので学校の友達と遊ぶのにも、誰かの家に遊ぶことは稀で放課後の校庭で遊ぶのが常だった。家に帰っても両親は仕事で夜になるまで帰ってこない。空が赤らめる頃、隣に建つ空き家の屋根に泊っているカラスの鳴き声と風者の回る音を聞きながら夕日を眺め、親の帰りを待つ時間は、十一歳の女の子にとって、より孤独が染み入る時間だった。
毎年、逆さ雨が発生する日は一か月程前に村を管轄する気象台から発表される。何百年分の発生日記録と数か月前からの天候予兆などから割り出される。予想日が外れることの方が珍しいので、村の人たちは発表された予想日に合わせて祭りや観光客を迎え入れる準備をする。
サラがいるクラスでも逆さ雨の時期の話題で持ちきりになっていた。皆、この祭りの露店にしか出ないジャガイモを潰して作る甘いお菓子のことや、とっておくと縁起が良いとされる逆さ雨の雨水をどうすくうかなどを口々に話していた。
そうしているうちに教室の引き戸が開く。学校の校舎自体もレンガ造りの築百年以上経過していると言われ、教室の出入り口にある摺りガラスの張った引き戸も、大きな動物が唸るような音が2階まで届く天井へ響いた。ペトロ先生が入ってきた。そして、少し背丈の小さい男の子が先生と並んで追ってくるように入ってきた。生徒たちは号令に合わせてペトロ先生に挨拶をする。シンと静まった教室で先生は都会からの転校生を紹介した。彼は、皆がやっと聞こえるくらいの小さな声で簡潔に自己紹介をした。教室にはパラパラと拍手が起はった。
一限目の授業が終わった後、クラスのみんなは転校生の席の前に集まりいろんな質問をした。以前はどの辺りに住んでいたのか。今はどの辺りに住んでいるのか。ここには何の都合で来たのか。好きな食べ物は?嫌いな虫は?みんな競うように彼に質問を投げかけたものだから、口を噤んでしまった。見かねたサラが思わず、「質問は順番にしていったらどう?」と提案したため、その後はスムーズに事が運んだ。彼の名はタムといった。東の方の都からこちらへ引っ越してきた。父親が炭鉱の技師をやっており、この度この村の炭鉱にある研究所に赴任となったためやって来た。皆に彼は引っ越した先が村の南端で元々が古い家屋だったため家族総出で行った掃除が大変だったと言った。
そのエピソードに一番反応したのはサラだった。南端の区域にあるサラの家の隣が、恐らく掃除が大変だったと聞く古い家らしかった。サラがそれに関して聞いたところ、やはりそうだった。サラがタムに対し「じゃあ、ご近所だ」と嬉しそうにしていると、タムも少し間をおいて頬を染めながら「そうだね」と言った。周りの生徒たちは意味ありげに笑顔でそのやり取りを眺めていた。
学校の一日に終わりを告げる鐘が高らかに鳴る。日はまだ高いが、西側の山から大きな影で村の集落を染めていく。サラはいつも放課後遊ぶ友人達に、今日は母親が早く帰ってくる日だからと言い、学校を後にする。両親が共稼ぎだからこそ、サラ自身も家族との時間をできるだけ持つようにしていた。
サラの家までは徒歩で南へ一時間程である。村を南北に縦断する道路をひたすら南に向かって歩く。学校付近は村で一番栄えている中心地に近いためか、養蜂場が経営するはちみつ屋さん、庭仕事の道具や工具などを売っている雑貨屋さん、豪快な肉料理と大きいジョッキビールが売りのレストランなどがぽつぽつとあったが、それらを過ぎると背の高い針葉樹が壁のようにそびえたつのみの道となる。車道は舗装されているが、歩道は砂地で、雨の日になると表面の地盤が緩くなり、実に歩きにくくなってしまう。そんな雨の日も、サラはレインコートに身を包み、一歩一歩踏みしめながら雨風の道を一人歩くのだ。晴れの日こそ鳥の声や山の麓にある建物の風車が回る音がして彼女を飽きさせない。しかし、雨の日ともなると、風車の音も悲鳴のように聞こえ、森も緩んだ地面も降りしきる雨も、みんなグルになってサラのことを孤独の巣穴へと押しやろうとするのだ。
前から山の洞窟で採れた鉱物を運ぶ大きなボンネットのトレーラーが、大きな排気ガスと砂煙を残してサラの前を走り去っていった。すると道を奥へ進んだところからケフケフとせき込む声が聞こえた。
タムだった。彼も一人家へ帰ろうとしていた。
道路脇に立つ木々が橙色に染まった光を遮り、尖った影が何本も彼女らを突き刺すように地面に映る。やがて空の明るさを残して、村の南端まで一直線に伸びた道は空からのおこぼれを除けば殆ど明るさを失う。すると道の両端の等間隔に設置された電球ランプが灯る。太く長い木を包む、大きい魚の鱗のような皮にも橙に近い色の光が薄っすらと映る。蚤の市の屋台ほどの明るさすら無いものの、そこを歩く者の心を静かに和ませるのだ。
タムもサラの存在に気づき、一瞬気まずそうな表情をした。そして少し俯きながら、同じ歩調で歩を進めた。耳に風が通り過ぎる音、木の葉が揺れる音、電灯が揺れる音、時折走る車の音が聞こえ、道は延々と真っ直ぐに続いている。
地面を踏みしめるごとに歩道の砂利が音を立てる。サラは歩きながら地面を見た。砂利の中にサクランボくらいの大きさの石も混じっている。次に上を見た。道を分けた両端の木々があまりにも高く立っているので自分達がミニチュア人形になっている気にさえさせた。近くの風車がカラカラと回る音が聞こえる。跡をついてくる鳥の鳴き声のように高い音を立てている。
「帰り道、こっちなんだね」
サラは沈黙に我慢できず、タムに声をかけた。平然を装うつもりが緊張で少し上ずった声になってしまった。
「うん」
タムはそう答えるだけだった。
「よかった!毎日一人でここを歩くのはちょっと寂しいからね」
サラはそう言って少しはしゃいで見せた。もしかして、サラはこれから自分と行き帰りを共にしようとしているのだろうか。そんな気持ちがタムを過った。そうなればと考えるとタムは少し憂鬱な気分になった。学校へ行く日には毎日、サラと何を話すかを考えなければならない。別にそんなことしたくない。どうせならこの長めの通学時間の間はもの思いにふけっていたい。ただ、断るのもどこか悪い気がして言いづらい。タムの性分からすれば、どうしても断りにくい。
辺りはすっかり暗くなり、赤らんでいた空もゆっくりと夜の支度を始めた。電球灯の灯りが道の左右で線のようにつながり二人を導いていた。
「そうだ!」
帰り道もそろそろ家に近づき始めた時、サラが急にそう叫ぶように言った。
「逆さ雨って知ってる?教室でみんなが話してたのを聞いたかもしれないけど、今度それが見られる日にお祭りがあるんだ」
タムもそのことについては彼女が言うように教室で他の生徒の会話を小耳に挟んでいたし、登校中も村の商店街などでも話題になっているのを聞いたことがある。
「もしよかったら、タム君も一緒に逆さ雨の祭りに行かない?」
突然のことだったのでタムは押し黙ってしまった。タムにとってこんなことは初めてだったのだ。誰かに遊ぼうと誘われることは都会でもなかった。ちょっとの間、沈黙があった後、こう答えた。
「もし、大丈夫だったらいいよ」
タムは自分でも何を言っているのかわからなかった。これでは回答になってないではないか。答えをうやむやにして何もなくなることは往々にしてある。引っ込み思案のタムにとって、それは半分望んでいることであって半分は意に反することだった。彼にだってせっかく転校したばかりで、学校のみんなと仲良くしたいという気持ちはあった。
「きっとね。逆さ雨の祭りはタム君にとってこの村を知る良いきっかけになると思うんだ。それにその祭りにはクラスのみんなも来るから、たくさん話す機会にもなると思う」
サラの力説にタムは根負けした表情を見せた。
「母さんに聞いてみるよ。それで大丈夫だったら行こう」
それを聞いてサラはパッと表情を明るくし、「約束だよ」と、力強く言った。
周りの木々は影に支配され、たまに通る鉱物を積んだトラックもライトをつけて走行していた。
年に数回、祭りで人がごった返す場所がある。----逆さ雨の時の祭りもその一つだ。それが村の中心にある役所広場だった。役所広場は文字通り村の役場の前にある広場である。運動場くらいの広さで、中心には村を挟む山から採れた鉱物から作った数種類の色タイルを使い、村の象徴である風車をモザイク画のように埋め込んで描かれている場所がある。中心から外側は整えられた芝生が囲っており、祭りが無い時期でも村民の憩いの場となっている。役所の発表によると、逆さ雨が見られる時間は夜の七時過ぎである。村の内外からやってきた人たちは、その時間に向けてどこで見るかを決めたり、見物場所の場所取りをしたりしている。そして、芝生の外側では村の飲食店が屋台を出店するため、屋台骨を組み立て、食材の下ごしらえなどの準備に追われていた。それらの前を歩けば、祭りが始まる前の慌ただしさを感じ、皆それぞれで心躍らせる。その日は曇り空だった。逆さ雨にはうってつけの天候だ。
タムは地上に向かって昇る雨なんて想像ができなかった。重量に逆らって宙を舞う雨と言われても霧雨のようなものしか思い浮かばない。サラの誘いには流されるように受けてしまったタムだったが、逆さ雨が一体どんなものなのかという興味に惹かれて、サラと祭りに行くことにした。タム自身、引っ込み思案なところはあるものの、こういった不思議なこと、いわゆる超常現象の類にはとても興味があったのだ。
薄い雲が空を覆い、時間につれて徐々に暗さを増していく。普段なら木々や風車の羽根を赤く染める光は一足先に雲の後ろに隠れてしまっている。タムは家の前で、隣の家から出てくるサラを待っていた。足元の砂利を慣らしながら。すると数分後、ドアの開く音がした。
「おまたせ!」
サラは普段とは違う格好で出てきた。白をベースにしたバルーンスリーブのブラウス、鮮やかな赤にカラフルな花柄模様が縫い合わされているスカートを纏っていた。タムも思わず、普段とは違うサラの姿にまじまじと見つめてしまった。
「これ、動きにくいんだよね。でも母さんが、せっかくのお祭りなんだから着ていけって」
サラは照れ臭そうに笑った。
「役所広場で他のみんなとも合流する予定だから、その時みんなも紹介するよ。と言ってもみんなタムと同じクラスの子だから知ってると思うけど」
そう言ってケラケラと無邪気に笑う姿はいつものサラだった。
役所広場までの道中は、タムにとってはいつもの憂鬱な通学の気分とは異なっていた。未知のものを見る前の高揚感に、いつもとは違う煌びやかな衣装を纏っているものの、話をすると普段と変わらないサラに今まで感じたことのない戸惑いがあった。
道中、サラはいろんなことを話してくれた。この祭りでしか出ないジャガイモを潰した甘いお菓子やもうすぐ通る肉料理の店にある十二時間煮込んだ塊肉が美味しいこと、あと広場で自分がこの衣装を着ていることで浮いてしまわないかの心配。
そんな中、サラはお互いに手にしているものを見ながら聞いてきた。
「そういえば、逆さ雨の水を取る道具って何を持ってきたの?」
「これ…持って来た」
タムは大きな黒い傘を見せた。
「私は結局これにした」
そういってブリキ製のバケツを見せた。
例の肉料理の店を過ぎると、徐々に見物客の数が増えていった。みんなこの時を待ちわびていた。
中央広場の片隅でサラとタムはクラスメートたちと落ち合った。
「わっ!サラ、おめかししてきたのね。きれい!」
クラスメート三人の中の一人がそう言ってサラたちを呼び寄せた。
「さっき大きな声で呼んでくれた子がリリで、こっちがアメリア。あと、この子がヤン。三人はタムのことは知ってるでしょ」
紹介された三人は「うん」と頷いた。タムも三人のことは見覚えがあった。転校してすぐにいろんな質問を投げかけた中に三人もいたからだ。三人が「改めてよろしく」と微笑んでくれた時は、クラスに馴染めるか不安だったタムも多少安堵の色が見えた。それと同時にタムから見てサラはクラスメートからかなり慕われていることが伺えた。リリはブリキ製のバケツ、アメリアは家の深皿を、ヤンは台所にあったボウルを持っていた。もちろん縁起が良いとされる逆さ雨の水を取るためだ。
頭上に網のように吊るされているランプの灯りに包まれて、役所広場の盛り上がりが最高潮に達する。屋台で買った串焼きを頬張る人もいれば、葡萄酒をやり夢見心地になりながら裏手に吊るしたハンモックでギターを奏でる人もいる。元々神様がいてそれに奉納するような祭りではない。何かに願い事をする儀式をするわけでもない。只々あるものを見に来ているだけの祭りだった。温泉地で観光客が間欠泉を見に来ることとさほど変わりはない。だからこそ、皆来るべき時が来るまで形式的な作法があるわけでも無く、自由気ままに過ごすのだった。この祭りは数百年前からこの国の言葉で「昇り雨の祭り」と言われ親しまれてきたが、「団欒の祭り」という別の名前もあった。一見、団欒という言葉には程遠いが、各々で食べ、呑み、謡い、くつろぐ。それらを村の居間である役所広場でやっているのだから、なるほど見方によっては団欒なのかもしれない。
サラ達五人はこの神のいない、願い事もない賑やかな祭りを、なけなしのお小遣いで買ったジャガイモを潰して作った名物のお菓子を食べながら見て回った。
「ちょっと退屈になってきたね」とアメリアが言うと、「そうだね」とヤンも同意した。
「僕も騒がしいのはちょっとな」
タムも二人のいうことに同意したが、騒がしい方が好きなサラとリリはわからないといった顔をした。
「じゃあ、ちょっと広場のはずれの方へ行ってみようよ。そこでも逆さ雨は見られるから」
リリはそう言って四人を先導した。
数日前、学校でタムはこの祭りのことについて授業で教わった。始まったのは九百五十年前のことで、そこから五百年もの間は逆さ雨に神様が宿っているとして、信仰の対象になっていたが、徐々に信仰的なもの、形式的なものが取り除かれ現在に至る。
「よくこんな感じで数百年も続いてきたものだな」
タムは内心そんなことを思った。日々の仕事や人間関係のストレス、明日への不安、いつもとは違う場所に立ち寄った時の解放感がそうさせるのだが、タムがそれを理解するにはもう少し時間が必要なのかもしれない。
五人は役所広場から少し離れた舗装されていない村役所の駐車場へ出た。辺りはぎっしり車が止まっている訳ではなく、屋台を出している人が止めている石炭動力の三輪トラックが三、四台ほど止められているだけだった。奥には赤レンガ身を包み、昇れば細長い村を見渡せる円錐型の屋根をした小さな塔が立っている村役所が腰を下ろしている。
「あ、これってもしかして」
ヤンが急に地面を足踏みしながら言った。さっきの乾いた土の地面とは違う、踏むと溶けたチョコレートがまとわりつくように靴に泥がこびり付く。
「もうすぐだ!」アメリアが叫んだ。
サラとリリは浮足立っている。タムは初めて車に乗った猫のように周りをきょろきょろ見まわしながら、やっと逆さ雨を見られる瞬間が近いことを理解した。彼らも目前に迫る祭りのメインを飾るショーに興奮に包まれていたが、そこから離れた役所広場では興奮が弾けそうになっている。どんな風に上がってくるのか。どれくらいの頻度で上がってくるのか。タムはそんな期待で心を躍らせる。
湿った土からやがて植物が芽吹くように水滴がぽつぽつと辺り一面に浮き上がる。そして、見えない膜を突き破ってそれらの水滴は空へ駆け上るのだ。その様は、唯一無二、ここに来なければ誰も見ることができない。役所広場では水滴がランプの灯りと反射し、磨き上げられた宝石の群れが、一度で大量に飛ばされた風船のごとく水滴は夜空へと旅立つ。旅立てば最後、どこへ向かうのかはわからない。また落ちて川の水になるのかもしれないし、雲に化けて地上に影を作るかもしれない。
「きれい」
タムの口から彼の意志とは関係なく、かすかな声でそう漏れ出ていた。何がどういう影響で雨が天に昇るのか。そんなことがどうでも良くなるくらいタムの目にそれは焼き付かれていく。
「きれいでしょ!」
サラは嬉しそうに叫んだ。
「ようこそリンガン村へ!」
リリ、アメリア、ヤンの三人がタムに改めて歓迎の言葉を送った。タムは都会では経験し得なかった人の温かさに触れ、この村が心から大好きになった。
やがて、昇り止む逆さ雨は花火の光のように美しく輝き、花火の終わりのように儚く天へ消え去った。
「今年も採れなかったね」
ヤンがポロっと呟いたが後悔の無い表情だった。結局のところ、五人とも逆さ雨を見るのに必死だったため誰も水を採ることができなかった。役所広場ではこのまま日が昇るまで「団欒」を楽しむのだろう。
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