第2話

そう、彼女はいつも笑っていた。

しょうもない私の話にいつも笑っていた。



何の変哲もない普通のコールセンター。

私よりも5歳年上の彼女は部署立ち上げからの初期メンバーだった。

出勤時間が異なることから顔を合わせることはほとんどなかった。

喫煙所で顔を合わせた時に挨拶をするくらいの関係だった。

いつからだろう。自然と私と彼女は意気投合するようになり

お昼休憩の時間、彼女が会社に着いた頃合いに席を立つ。

「おはよ〜」「おは〜」お決まりの挨拶。

一緒にトイレに行って喫煙所へ向かう。

「この曲聞いた?」「あの映画の新作出るらしい」そんな他愛もない会話をして

ふざける私を笑う彼女。決まって彼女は笑うと叩く癖があった。

叩かれる度に痛いフリをして更に笑わせて

ただただ笑い合っていた。

私に好きな人が出来た時、「こんなLINEが来た」「まだ返事返ってこない」そんな悩める乙女だった私を励まし、時には一緒に悩んでくれた。

話も合って、好きなものが似ていて、背が小さくて、優しく、笑顔が可愛らしい、金髪ロングで巻髪の彼女が私は大好きだった。

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Not sleep @sleepyrabid

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