朝の時間

バブみ道日丿宮組

お題:真紅の怒りをまといし机 制限時間:15分

朝の時間

「おはようございます」

 彼女の部屋に静かに入ると、

「すやぁすやぁ」

 彼女は机の上で静かに寝息をたててた。

 ベッドで眠ればいいのと私は思うのだが、彼女はこの方が疲れがとれるとのことだ。

 机の上には、日記が開かれた状態で置いてあった。

 おそらく書いてる間に睡魔に襲われたのだろう。

「……」

 これはチャンスに違いないと、彼女に気づかれないよう下敷きになってる日記をすりすりと引きずりだす。

 普段この日記は鍵がしてあるタンスに入れられてて確認できなかった。

「……ゴクリ」

 何が書かれてるのだろうか。

 私のこととか、わたしのことか、ワタシの話とかかな。

 さすがに最初の方から日記を読んでる時間はないと思うので、ぺらぺらと最近に書かれたものに目を通してく。

「……うーん」

 今日の天気、温度。授業態度、私の下着の色、私の唇の味、私の胸の感触、と話題が出てるが特に面白そうな地雷はなさそうだった。

 もっとニトロが効いたエピソードはないだろうか。

 陰部の暖かさとか、そういったものについて書いてて欲しい。

 直接繋がることはできなくても、一緒に感じあうことができてる部分だ。彼女に触れられるのはすごく好きだから、改善できるようなことがあればしたいと思う。

 でも、そういった性的なものはなさそうだった。

 仕方ないので、私が彼女の陰部の感触を書くことにした。

 暖かくて、包まれるようで、愛がこもってるようで。

「……ないなぁ」

 意外に言葉がでなかった。

 だからこそ、彼女も書けなかったのかもしれない。

 バレないように日記を閉じて、彼女の頭に叩きつけた。

「はわっ!?」

「朝だよ。おはよう」

 びくんと立ち上がった彼女は、私が持ってるものを見て、

「だ、ダメだよ!? か、返してー」

 赤面して、日記を奪い取るのであった。

「見てないよね?」

「どうでしょう」

「日記なんだから見ちゃダメ!」

 あたふたする彼女は見てて面白かったが、さすがに時間は有限だ。

「はやく着替えて、学校にいこ?」

 落ち着いた彼女を着替えさせるのを手伝った後、一緒に朝食を食べて、登校した。

 日記はしまう時間がなかったらしく、カバンに突っ込まれてた。

 誰かに読まれることはないだろうが、彼女の陰部についてのものが彼女以外に読まれたらどうしょうかと、一日中そわそわしてた。

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朝の時間 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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