第8話

「ストーカー」




「ハルちゃん!おはよう!」


翌朝、登校するとナツキが待ち構えていた。

「じゃーん!簡単に自己紹介させて!」

おもむろに広げられた模造紙には生年月日から始まり、家族構成やら好きなもの嫌いなものシリーズ、これまでの人生がびっしりとつづられている。


「えっと...なにこれ?」

「昨日ハルちゃんが、僕のこと全然知らないから付き合えないって言ったでしょ?だから、僕のことちゃんと知ってもらおうと思って!」


「そういう意味じゃ、なかったんだけど。」

それからもナツキは事あるごとに話しかけてきた。ある時は、

「ハルちゃーん、昼休み一緒に食べない?」

「残念でした。ハルはうちらと食べるの!」

「なんだよゆい。幼なじみなら協力しろよなー。」

そしてある時は、

「ハ、ル、ちゃん!どこ行くの?ついていっていい?!」

「ト、トイレだよっ!ついてこないで!」

そしてそしてある時は、

「はるちゃーん!バスケがんばれー!

あ、先生僕見学で。」

「男子はグラウンドだ。出てけ!」


「ナツキの奴、また女追いかけ回してるよ。笑

でも確かに平瀬って笑うと可愛いよな。

あ、俺三枝、宜しく。」


ナツキはめちゃくちゃで、本当に変な奴だったけど、何の楽しみもない私の高校生活に沢山の出会いを与えてくれた。


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青春フレグランス ゆう @yuk_i

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