エピローグ


 村に帰ったミモリは、ヤマトとマミにも事の説明をした。

 何日か経つと、ミモリの下に「声が聞こえたけど、あれもそうかな?」と報告に来る者が現れる様になった。そしてまたその内に、対話出来る様になった精霊の力を使いこなす者が現れる様になった。


 ――こうして、ミモリだけが持っていた不思議な力はミモリだけの物ではなくなり、その力の恐ろしさを垣間見たウルク王は、無理にそれを求める事は無くなった。

 そしていつ頃からか、この力は『魔法』と呼ばれる様になった――。



「はー、今日もお仕事疲れたね、マジル君。もう、すっかり暗くなっちゃった」

 あれから数年が過ぎ、この日も一緒に森林に入り仕事をして来た帰り道、ミモリは、夜空に瞬く星々を見上げながら溜め息交じりに言った。

「そうだな。……なあ、ミモリ。これからは、ずっと一緒に居てくれよな」

「マジル君……。……うん、ずっと!」

 突然の意を決したマジルの言葉に、その顔をジッと見たミモリは、今度は笑顔で答えた。


 ――だって、マモリお父さん、ミノリお母さん、タケルお父さん、サリナお母さん、……ハヤト君。


 心の中で話し掛けたミモリに、夜空の星々は嬉しそうに笑い掛けた。



              〈了〉

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ミモリの不思議な力 はるにひかる @Hika_Ru

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