第14話 かるた遊び。(後編)

の続きです。



◆予感とは 悪い時ほど的中し


会社で打ち合わせ終わって、いつもなら社長が私を次の用事の場所まで送ってくれるんですよね。

そこでふと、今日みたいにあまり体調のよくない日に限って、送ってくれなかったりして……といたずらに思ってみたりしていたら、なんと予感的中!!


「ごめん、たまきさん、これから納品あって、送っていけないんだけど、いい?」


それなのに、次回の打ち合わせまでに処理すべき書類の束まで渡されて、荷物はより重くなっている、というね。。。



◆老親は 愚痴よりジュース こぼしがち


うちの親、昔はいろいろ確執もありましたが、軽く認知症も入ってきて、すっかり丸くなったんです。

なので、愚痴なんかもまったく言わなくなったんですけど、この日は病院の自販機で買ってあげたジュースを、子供みたいに何度も何度も、飲むたびにこぼすんですよね。


それで、ポケットティッシュがスッカラカンに。。。



◆呼べば来て 呼ばない時には来ない空車


病院から帰る時はいつもタクシーを呼ぶか迷う。

この日は冬で寒いので呼んだんだけど、最大10分かかると言われて、私だけ一応外で待っていたら、その間、空車が3台くらい通り過ぎて行った。。。


予約で呼んでなければそれにすぐに乗れたのにと思ったけど、たぶん、呼ばなければ空車も来ないんですよ(何度も経験済み)。


ホント不思議!!



◆吹雪道 メガネ曇って 傘出せず


予報は晴れだったと思ったのに、最後の最後にJRの駅に向かうために歩いていたら、突然雪がまあまあな勢いで降ってきて、傘出そうとしたら手探りでは見つからなくて。

立ち止まって見ながら探そうとしたら、暗いわ、マスクのせいでメガネは曇ってるわで全然見えない。その間、降りしきる雪が頭にどんどん積もって行ってるのがわかる。。。


実は、母の病院出る前に荷物整理したばかり。

そして、整理とかすると、いつも決まって肝心なものが見つからなくなるの、なぜ!?



◆地下通路 迷いに迷って時間切れ


駅に着いて、さすがにもう何もないだろうと油断してコンコースを歩いてた。

すると、工事中のエリアがあって遠回りをさせられてるうちに、方向音痴の私、完全に迷ってしまってグルグルグル。。。

ただ、きれいなトイレを借りたくて、いつもの大きなデパートに行きたかっただけなんだけど。

ついでに、デパ地下で、JRで食べるものを仕入れようと思っただけなんだけど。


結局、トイレに行く時間しかなくなってしまったのでした。。。



◆どちら様? 座席になぜか先客が


今度こそさすがに、何かあるはずもないはずだったんだけど、私の指定席(4番)にたどり着いてみたら、親子連れがカバンを開けてせっせと荷物を選り分けて、上の棚に上げたりしている。

あまりにキビキビと動いているので声もかけづらく、もしかして私が間違ってるのかと切符を見てみるも、席番は合っている。

もしかして、車両を間違えた!? と思ったけど、もう発車してるし、右往左往したくない。思い切って、そのお母さんに「あのぅ、ここって3号車です、よね?」って訊いてみた。

するとお母さんはパッと私の方を向いて、微動だにせずに大きな瞳で私を見据えたんですよ。まったく視線を動かさずに。

なんか圧倒されつつ、その瞳の色が「グレーっぽい!?」ってことがすごく気になって、私もそこに目が釘付けになり、3秒くらいですかね、お互いにメッチャ見つめ合ってたんです。

結果、お母さんは座席の番号とかにまったく視線を向けることなく、私を見据えたまま突然、「あ、私たち、5番なんです」って言ったんですよ。


今、席番も、切符も、何も見ないで言ったよね!? って、ちょっとビックリしてたら、またすぐにキビキビと荷物を移動させ始めた。


最後の最後に、これが来るとは。

まあ、よくあることっちゃ、よくあることだけど。

やれやれ、とは思った。。。(あくまでも自分に対して)



◆単線路 こちらばかりが待たされる


鉄道で、線路が1つしかないエリアがあるって夫のM夫くんに聞いて初めて知ったんだけど、結婚してここに引っ越してきて気づいたのが、JRに乗ると、やたらと「行き合い列車待ち」とか言って、特急なのにずっと止まってることがあるのです。

向こうから来る列車をずーっと待って、それが行っちゃってからやっと動くの。


で、この日、いくら何でもいつまで止まってるの!? ってくらい動かない時があって「行き合い列車が遅れている」ってアナウンスがあって、「なに、その貧乏くじみたいな話!!」って思ってたんですよね。


それで、この日の一連の話をした最後にM夫くんに、「JRに乗ると、なんでいつもこっち(自分が乗ってる方の列車)ばっかり待たされるのかって、頭に来ない?」って言ったら、「いや、それ、あっちがこっちを待ってくれてる時だってあるんだよ?」って言うんです。

え、そんな覚え、あんまりないんだけど……って言ったら、寝てるんじゃないの? って言われまして。。。


本当にそうなのでしょうか!?


というわけで、今度乗ったら、こっちを待ってる列車がいるかどうか、絶対に見てやろうと思った次第です。





以上、たまきも歩けばネタにあたるな一日の話でした。



聞き終わって、「やっぱり、いろいろあったね」とM夫くんは言った。


うん、確かに、話してみたら、小ネタばかりだけどいろいろあった。


そこで皆様にお聞きしたいのですが、このくらいの出来事が一日に起こるのは、ふつうのことなのでしょうか。

それとも、やっぱり犬棒的に「ネタにあたっている」という状態なのでしょうか。


そこのところが、いまだに、イマイチ、判断できずにいるのですが。。。




ちなみに、最初にM夫くんから「どういう一日」と訊かれて、話そうと思ったベスト3は——


1.コンビニの棚が空っぽで、みんなで大騒ぎしてトレイから商品を探したのが恥ずかしかった

2.エスカレーターのメンテで、「行列が自分の手前で切られる」お約束発動

3.まさかの最後の最後に、違う人が自分の席にいて、目がテンになった


でした。。。

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あの雑紙、分別しました!〜グータラ妻のダメダメ夜話 再び たまきみさえ @mita27

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