第4話首の長い女

21時、シャワーを浴びようと浴室のドアを開けると、目の前に首の長い女が立っていた。正確には長い首が目の前にあり、頭の部分は天井をすり抜けており確認ができない。なぜ女性と判断したのかと言うと、白いワンピースを着ているからだ。

私はこの状態だとシャワーを浴びることができないため、浴室から出てもらいたいことを伝えると、私の背後から「こっちよ」と声がした。振り返ると逆さまになった女性の顔があった。女性はニタニタと笑いながら首を振り子のように左右に大きく揺らしながら「ひゃひゃひゃひゃ」と叫び始めた。

5分程経っただろうか、女性の首を揺らす速度が弱まり、笑顔は消え顔色も悪く叫び声も若干かすれ声になっていた。後ろを振り返り胴体を確認すると、首の振りすぎによるものか右手で肩を執拗に擦っている。

私はふと小学生の頃を思い出した。ある日の昼休みクラスの男子二人がどちらが長く逆立ちができるか勝負を始めた。どちらも我慢強くなかなか決着がつかず、結果2人とも頭に血がのぼり意識を失い、救急車で運ばれたのだ。その時の2人の顔と目の前にいる女性の顔が全く一緒であった。私は女性に「少し休みませんか?我慢は良くないです」と伝えると女性の首が床に「どさっ」と落ちた。

私はコップに水を入れ、女性に飲ませた。また、肩を痛そうにしていたので、湿布を持って来て女性の肩に貼った。女性はとても不満そうな顔で「なんで?」と聞いてきた。私は「当然の事をしただけです」と答えた。女性は私にむかって一言「つまらない」と言い、煙のように消えてしまった。

「つまらない、、」昔からよく言われる言葉だ。

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ワンルーム妖怪談 @dozaemon84

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