第2話 適正高校はディバランテ

 今日は適正高校発表の手紙が来る日だ。楽しみだけどやはり少し不安だ。

「ふあぁ〜。」

欠伸をしながら階段を降りていく。

「おはよう、お母さん。」

「おはよう!早速手紙来てるわよ!!」

そう言いながらお母さんは、俺に手紙を渡してきた。

「私もまだ見てないの!早く見ましょう!」

「すごい元気だな。ふぅ〜。よし、開けるか。」

ゆっくり、慎重に破らないようにそっと中身を出す。さて、結果は...


アルス・カミュー様

アルス・カミュー様の適正高校は【第一魔法科学校ディバランテ】です。

試験を合格し、この学校で会えること楽しみにしております。

第一魔法科高校ディバランテ 校長 ギール・ディバランテ


「ほへぇ?」

悔しいことにリリスの気持ちがわかった。こんな気持ちだったのか。てかマジか!!今までの成績的に無理だと思ったけど、やっぱ全属性だからか?

「まぁ!!!さすがアルスね!!」

お母さんも喜んでくれているみたいだ。ディバランテか....正直言って不安だ。嬉しい気持ちも、もちろんある。この国最大のエリート校だ。そんな中でやっていけるのか、やるしかない。それ以前にまず試験だ。

適正だからって簡単に入れるわけではない。筆記試験と魔力量審査。筆記はそれなりに自信がある。魔法科の高校での筆記は、魔法に関する問題だけだからな。中学の時、数学や理科の時間でも、俺は魔法の勉強の方が面白かったからこっそり勉強していた。それなりに自信はある。

 魔力量審査に関してはどうしようもない。魔力量が少なければ落とされ、多ければ合格。単純だが一番心配だ。魔力量は生まれた時から決まっている。小さい時に使える魔力量は少ないが、容量は変わらない。仮に筆記試験で満点を取ろうが、魔力量が規定未満であれば問答無用で落とされる。ディバランテはエリート校。魔力量の規定は高いだろう。だがそんなことは気にしていられない。とにかく入れるように勉強するか。っと、その前に。キリア達はどうだったかな。

「キリアの家に行ってくるよ。あいつの属性と適正高校聞いてくる。」

「朝ごはん食べないの?」

「あぁ〜。キリアの家近いし、あんま腹減ってないから帰ったら食べるわ。」

そう言って俺は玄関を出る。


キリアの家はここから歩いて5分くらい。キリア成績良かったし、属性が3つなら、あいつもディバランテかもなー。リリスはどうなんだろ。できれば2人同じ高校が良いって言ってたしな。いろいろ考えてるうちに、キリアの家に到着。ピンポーン。インターホンを鳴らして待つ。

「よぉ!やっぱ来たか!」

元気そうに爽やかイケメンスマイルを向けてくる。くっ!眩しい!

「おはよ。妙に元気がいいな。いい高校だったか?」

そう聞くと、その質問を待ってましたと言わんばかりにドヤ顔をしてきた。

「俺はディバランテだったぜ!なんとリリスも!!!2人一緒だとやっぱ嬉しくてね!」

なるほど。道理で元気なわけだ。

「そう言うお前は?全属性とは言え魔法以外の成績ヤバかっただろ。」

「それな。でも俺もディバランテだったんだよ。驚くことに。」

そう言うと、キリアは嬉しそうな顔をした。

「おお!!親友と彼女と同じ高校か!いい高校生活を送れそうだ!良かったな!」

「まぁな。お前ら以外友達いないから、正直うれしい。」

そう考えると本当によかった。友達作れるかめっちゃ不安だったし。

「まぁお前は、俺に近づくなオーラが半端ないからな。みんなびびってんだよ。高校では気をつけるんだな。」

そうか?そうだったのか?俺そんなオーラ出してたのかよ。自覚ねぇよ。

「まじか、初耳だわそれ。俺そんなつもりなかったけどな。てかそんなことより、属性はどうだったんだ?適正がディバランテってことは三属性使えるんだろ?」

話しているうちに忘れそうだったわ。コミュ力お化け怖い。

「俺は火と風と雷だ。そんで確かリリスは氷と水と闇だったかな。」

「おおー。キリアは火って感じだ。てかリリスとお前正反対だな。」

2人合わされば全属性だな。俺は一人で使えるらしいが。

「正反対でも、愛し合っていることに変わりはない。とにかく、試験合格できればいいけどな。俺は筆記自信ないぜ。」

嘘つけぇ!!成績全部良かったじゃないか!クソ!これだからイケメンは。

「はいはい、そう言うのいいから。じゃ俺朝飯まだだから。ディバランテで会おう。」

「おう!じゃーな!」

そう言って俺はキリアと別れて家へと向かった。家に帰った頃にはお腹ペコペコだった。

「ただいま、腹減った。」

お母さんはキッチンにいた。いい匂いがする。

「おかえりアルス、ご飯もうできるからもう少し待ってね♪」

5分くらいして食卓にベーコンエッグが置かれた。うまそうだ。

「いただきまーす。」

「どーぞ♪ところで、キリア君はどうだったの?」

お母さんはキリアの母親と仲がいいから、結構興味津々だ。

「俺と同じディバランテだった、あとリリスも。」

そう言うとお母さんの顔がいつも以上にパッと明るくなった。

「そうなの!!良かったわねぇ!アルス、友達キリア君とリリスちゃんしかいないもんねぇ!!私、アルスが高校で友達作れるか心配だったのよぉ〜。」

「まぁな。俺も正直安心した。」

そう言って俺は、ベーコンエッグを頬張る。うん、うまい。

「食べたら少しは勉強しなさい♪アルスのディバランテの制服姿が見たいわ♪」

制服か、少しは身長伸びてるといいな。そう思いながら最後の一口を食べる。

「ごちそうさま。じゃあ勉強してくるよ。落ちたくはないしな。」

皿を流しに置いて自分の部屋へ行く。今日から本格的に頑張るか。そして俺はペンを取った。

何時間たっただろうか。自分でもかなり頑張ったと思う。試験は2週間後だ。試験に備えて頑張るか。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

全属性の魔法が使える俺は、魔法進学校で無双する!! おもちライフル @omochi815

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ