第15話 水魔法基本編後編
多恵は、少し自信がつきやる気満々だった。しかしアリサは、「とりあえず今日は、おしまい。早く習得してもらわないと困るのも確かなんだけど、1日にあれもこれもと欲張るとまたあなた混乱するでしょう?今日は、ここまで練習がしたいなら、今のサイズより大きい水を扱えるよう集める練習をしてちょうだい」と言いまた戻って行ってしまった。多恵は「見てるわけじゃないのにどうして色々分かるのかな?」とぶつぶつ言っていると、マキトが「アリサに隠し事しようとしても無駄!何でもお見通しだよ。さあ、練習しよう」と多恵に声を掛けた。
多恵は、何回も水を集める練習をした。そのうちに、水場なら大きな水の塊を作り出せるのではないかと思いマキトに聞いてみた。「確かに水が多いところなら、大量の水を扱う事は出来るよね。でもやっぱり見えるものに偏っちゃうと、いざという時に役に立たない。見える見えない関係無しに、自分がどれくらいの量を必要としているのかという感じが必要なんだよ。ここは山の中だからあちこちに水に代わる物はある。しっかりしたイメージを持つことで近くに多くの水があるとか関係なく集めやすくなる。例えば、そこのバケツ一杯の水を集めるとかね」マキトは真剣に説明した。多恵は、分かりやすいと思った。バケツ一杯の水を集めるイメージをすると水の塊もバケツ程の大きさが集まっていた。マキトは「そのままバケツに入れるイメージをしてみて」といい、多恵はその通りにしてみると水はバケツの中へと落ちるように入った。「うわー出来たよ!!」多恵が喜ぶと「まだ教えちゃいけなかったんだろうけど、こういうこと。水を集めてその水を何かに使う。まだ荒いけど、これが出来てまず一歩って感じだからねー」とマキトが言うと、アリサが間髪入れずに「今日の練習は終わり!マキトー」と怖い顔で叫ぶと「ごめんなさい。少しだけなら良いかなって調子良さそうだったし、もうしません」とマキトが慌てて誤った。
多恵は「ごめん、私のせいで怒られちゃって」とマキトに謝った。それでも多恵は、自分ができる事が増えた事が嬉しくて仕方がなかった。
多恵が家の中に戻るとアリサとミアが机に並んで文字の勉強をしていた。
多恵は、自分の事ばかりで今までミアがここで何をしてきたのか全然知らなかった。
ミアは、嬉しそうに「アリサお姉ちゃんが沢山教えてくれるんだよ」と話した。多恵はもう少しミアにも気を使わないといけないと思ったが、アリサに「あなたは、まず自分が一人前になることだけを考えて。ミアは大丈夫私がしっかり色んな事を教えていくから。」とやはり見透かされたように言われた。
しかし、その通りだと思った。自分が何も出来ない状態では、みんなの足で纏いだと思った。
おばちゃんは、異世界に来た まるまる @aki40sa
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