第14話 水魔法基本編

多恵は、アリサに言われた事を考えていた。自分には想像力が足りていないのか?

集めるという作業は出来る。だけど、自分の目に見えているものしか集められていない。どうすれば見えていない部分から集める事が出来るのかと上手く掴めず前に進めずにいた。そんな時マキトが、「さっきアリサが雑巾を絞ったでしょう?まずはそこから始めてみたらどうなのかな?考えても納得できないものを想像出来ないし扱えるようにもならない。出来ることから実践していくしかないと思う。雑巾を絞ってそこから水を集める作業を完璧にする。出来たら次へ進もう」とアドバイスをくれた。

多恵は、いまいち理解出来ない自分に納得がいかなかったが、マキトの言う通り今は出来ることから始めようと思った。

多恵は、雑巾を水につけ絞って水を集めるイメージを何回も行った。雑巾を絞る作業は、多恵にもわかりやすく意外と早く出来るようになっていた。「マキト!これだけできるようになったからそろそろ次に進んでも良いかな?」と多恵がマキトに確認した。マキトは「次は木から水を集めるイメージでやってみて」とマキトがいうと多恵は木に向かって考え始めた。どこから水を搾り取れば良いのか?木は、根から水を吸うから、根本なのかな?多恵は色んな考えを巡らせ、木の根を絞るようなイメージをすると今まで掌の上に丁度丸くなるくらいの水量しかなかったが、掌よりはるかに大きな水の塊が出来た。それにはマキトも驚き「おばちゃん、やればできるじゃん」とやり方次第でだいぶ変わるなと感じた。

「おばちゃん、それが出来れば、もう水を掌に集めるというイメージだけで、水を集められると思うんだけど、やってみて」とマキトが言い、多恵はそんな簡単な訳ないと思ったが言われた通りに掌に水を集めるイメージをすると掌の上には水が集まっていた。

今まで全然出来なかったため1日で出来るようになり多恵自身も驚いた。

「とりあえず次のステップに行く前にアリサに報告しようか」とマキトがアリサを呼びに行った。アリサは「次は、その水を使い攻撃するか、防御をするかどちらを先に始める?」と多恵に聞いた。多恵は、「ミアちゃんを守れないと意味がないから、防御から教えてほしいとアリサにお願いをした。

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