弔いはデカく派手に

巨大なサメ型の怪異は、こちらをじっと見つめる。 みんな、それぞれがそれぞれの武器を手にして立ち向かう。


 「最後までサメじゃねーか!」


 勾玉から放たれたビームは、一瞬でサメを焼き滅ぼした。 こうして、街を蹂躙していた怪異は、完全に沈黙し、全てが終わった。


 「嘘じゃろ… やりおったのか?」


 「「「うおおおお!! 勝ったぞ!!!」」」


 街には生存者の声が響き渡る。 サメは宙へ舞い上がり、汚い花火となって、街を照らす。


 「え、終わり? 柳川、終わったっぽいぞ?」


 「どうやらそのようだ。 街は救われた! 犠牲になった方々! このままの勢いで黄泉の世界から帰って来い!」


 街の中央に冥府の門が開く、犠牲者が蘇った。 ハッピーエンドだ! 私から神器の力が失われていくのを感じる。 役目を終えたからだろう。


 「柳川さん、山下さん、あなた方には何とお礼を言っていいかわからんのぅ」


 「いえ、そもそもの原因は私の神器です。 お礼は入りませんよ。 その代わりに、最後にみんなで花火大会でもしませんか? ボロボロの街をバックに、全員で楽しみましょう!」




 花火が散り、光で人々の笑顔が見える。 この街から怪談は消えてしまうだろうが、ついでに大学も壊滅した。 山下と花火を楽しみながら、大学壊滅の喜びに震える。 


 神器たち… 本当にありがとう! こんな私に力をくれて。 親からの大量の非通知電話を無視し、夜になるまで花火を楽しんだ。




   留年生と草薙剣  完

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留年生と草薙剣 カナンモフ @komotoki

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