「逃避」というものに対する問いと答え

 療養のために海外に移住した人と、その周辺のさまざまな人々の物語。

 現代日本とフランスを舞台にした現代ドラマです。
 連作シリーズのうちの一作のようで、真面目というかシリアスな内容のお話。
 何かファンタジックなフィクション要素や、ぶっ飛んだおふざけのようなものは存在せず、ひとつの現実を淡々と描いているところが印象的でした。

 特定の誰かだけの視点からお話が進むのではなく、何人かの人物が入れ替わり立ち替わり登場する、いわゆる群像的な構成が特徴的。
 彼らの交わす対話というか、それぞれの立場からの考えや意見の、そのぶつかり合うさまに独特の雰囲気を感じる作品でした。