第2話 依頼

「ファ〜〜ぁ〜〜」

 現在PM4: 00、学校が終わり特に部活などにも入っていない僕はさっさと下校していた。

 だが僕は家には帰らずに、ある場所にある場所に向かっていた。僕が今向かっているのは、僕がやっている能力関係の問題を解決する仕事の事務所だ。そういった能力関係の仕事をするには資格がいる。

 勿論かなり厳しいため僕には取れるわけもないので、僕の幼馴染みで相棒(僕がそう思ってるだけだと思うけど)の京夜が資格を持っている(経営者である京夜の補助者である僕も資格がいるが京夜の資格ほど難易度は高くない)

 

 それから少し歩いた僕は事務所に着いていた。僕はドアの鍵を開け、中に入る。基本的にこの時間帯は京夜はおらず事務所には誰もいない。

 事務所の中には依頼人の話を聞く用の椅子や机、お茶を入れる用の台所、沢山の書類などがある。

 僕は事務所の奥の方にある机の上のPCを起動する。この事務所はネットのホームページでも仕事を募集している。

「何かいらいは〜?と!」

 僕は事務所のホームページを開き依頼が来ていないか確認する。だが残念ながら依頼は来ていなかった。

「依頼は〜〜〜来てないな」

 まあ疲れるのであまり来ないほうがいいのだが。ソファに寝転がり少し休もうとした時、突然事務所のドアが開けられる。一瞬京夜かと思ったが、基本的にこの時間帯には京夜は来ないのでそれはないな。ならば直接来るタイプの依頼人か。

 入ってきたのは知らない人だったので予想通り依頼人だろう。

「・・・・」

 依頼人だと思われる人物は高校生くらいの女の子だった。

 その子は茶髪でとても顔立ちが整っていて可愛く、僕が通っている第2能力者高校の制服を着ている。

「ここがzeroですか?」

「はい、そうですよ〜」

 zeroというのはこの事務所の名前だ。しかし第2能力者高校の生徒が来るとは予想外だった、この事務所には基本的にトラブルを抱えた大人が来るし、高校生の問題でも依頼に来るのはその親だ。

「ここにはある依頼をしに来ました、私・・・命を狙われている気がするんです」

「なるほど」

 ここに来る人の約3割がその理由ですよと言いたいが一応言わないでおく。

「第2能力者高校の制服ということは能力者ですよね?」

「はい、ポインター空間移動という能力を持っています。自分がいる場所にポインターを設置できていつでもそこに移動できるというのです」

 なるほど便利な能力だな、つまりおそらく能力目的で狙われているのだろう。

「狙われている気がしだしたのはいつからですか?」

「最初に違和感を感じたのは昨日の夜でした、近くのコンビニまで行って帰っている途中で後ろの方から視線を感じて振り向いたら、電柱の裏に人影が見えたので空間移動で家までワープしたんですけど、今日の朝窓から外を見ると電柱の裏に何人か人がいて私の家の方を見ていたんですよ。ほら、私こういう能力してますしやばい人に目を付けられたのかなって」

「失礼ですが親御さんは?」

「母はすでに亡くなって父と暮らしているんですが、父は私のために仕事を頑張ってくれているのでなるべく迷惑をかけたくないので父には言わずここに来ました」

 それは悪いことを聞いてしまったな、それに複数人から狙われているのか・・・

「分かりました、能力で家に帰れますか?」

「あ、はい。一応ポインターを設定してるので」

「それなら能力で帰ってください、後で人を送るので」

 送るのは勿論京夜だ。僕はめんどいから行かない、ていうか多分行かなくていいと思う。

「料金は解決してから頂きますので今日はこれで」

「ありがとうございます、それでは」

 瑠衣はそう言って能力を発動すると、青い光に包まれて消えていった。

「さて、京夜に連絡するか・・・」

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ZERO @MIISUKEZERO

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