第33話 月

灯りが邪魔をしてあの月まで手が届かない

私がわあわあ泣いている頃あなたがどんな顔をして眠っているのか今更思う

夜は月の支配した世界

ビル街に通る風は寂れた匂い

東京の隅に未だ暮らしている自分が

一番憎くて愛していて苦しい

半身の君がこの月を見上げた時

きっと泣くほどの想いでいるだろうこと

私の胸の中にも君の胸の中にも

月はある

満月だったり 欠けていたりするけど

輝いているはずなんだ

昼間は隠れているつもりで白い月になって

だから私はもう君を忘れない

そしてあなたと尊い人生を歩むんだ

一年が一生続いていくなら

毎日が一番惰性なら

それはもう私なのだよ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

33の詩!企画を活用してみ隊...お題に沿って33個書いてね!) 七山月子 @ru_1235789

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ