聖女のルートは一つじゃない

異世界転生ものの作品は数多あり、現在は悪役令嬢ものが大量生産されている。
そんな狭いジャンルの中、他に類を見ない展開をひねり出すのは並大抵ではない。

ストレスがあまりなくサクサク読み進める点が、本作の良いところ。
展開が早いのもいい。
長編は次がどうなるのか、読者に期待をもたせながら楽しませなくてはならない。その点がよく書けている。

フェンリルが、『ほう……? 今世の聖女はお主か。なかなか気合の入った呼び出し方をするが、たまにはこういうのもありだろう』といっている。
つまり、聖獣フェンリルは何度も多次元世界を行き来し、エヴァンゲリオンに登場する渚カヲルのように、聖女を導く役割をしているのかもしれない。

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