生き方について考えることができました。
性についてのことだけでなく、「ああしたい」「こうしたい」という、自分の夢、理想について周りの目線などで悩んでいる人はぜひ読んでみて欲しい。
作者さんのように良い人に囲まれるわけでもないかもしれない、上手く夢や理想を貫き通せないかもしれない。だけど、これを読めばきっと、「うまく行かないとしても一歩踏み込んでみよう」そんな勇気を持てると思う。
勿論私も、数年悩んでいたものに踏み出してみようと思う。
ありきたりな言葉かもしれないけど、
『何かをするのに遅いなんてことはない、まずはやってみる』
ここからは、1つの文学作品としてのレビューを。
作者さんの心優しさが伝わる、落ち着いていてスラスラと読みやすい書き方。
各話ごとの切り方もよく、程よく続きが気になりながらも、自分の好きな所で、読み止めることができる構成。
ちなみに、私はふとネットサーフィン中に見つけ、一話からこのレビューを書くまでPCに張り付いている。
それくらい読むことにストレスを感じない自然で優しい文章になっている。
エッセイというものの面白さは、小説のような創作ではなくリアルに近いということです。
云わば他人(作者)の人生、考え方、その人が見ている世界を追体験できる面白さを内包しています。
このエッセイは、タイトル通り「女子学生服で6年間を過ごした僕の実話」、まさにこれになります。
LGBTというテーマを扱ったものでありますが、そこに批判めいたものや難しいものはありません。
ただ、作者が過ごしてきた6年間を抑制の効いた文章で綴っています。
小説では起承転結が少なからず用意されており、読者をクライマックスに向けて誘導していくのですが、このエッセイでは劇的な展開はありません。
だからこそ、人の心に訴える何かを秘めています。
視点は様々。今、この問題で悩んでいる方の目線。その方の親の目線。その方の友達の目線。
世界の片隅で繰り広げられる、ありふれた小さな物語がここにあります。