読者ひとりひとりが違う感覚で読める隙

この物語を読み終わった後、しばらく考えていた。「この二人の関係は、今後どう展開していくのだろう」と。
この物語には、隙間がある。
それは、悪い意味ではなく良い意味。
主人公の美術準備室への興味がこの物語を進めていくキッカケにはなるが、その興味は読み進めるうちに違う感情に移り変わっていく。でも、その感情が何なのかは結局、読み終わるまで主人公でさえも分からないままで、それが逆に心地良い。
女子高生の感情というものは曖昧で、周囲の意見で揺らぐように思う。それが所々に散見される隙によってリアルに伝わってくる。
多分、読む人によって主人公、そして、扉の奥にあるモノ対して抱く想像は変わってくると思います。それを楽しむのが良いでしょう。
今後も期待してます。