壮大な叙事詩の一節を切り抜きました。

モデルとなったのはオスマン帝国時代の海軍でしょうか。
あまり知られてはいませんが、奴隷や海賊が総督に上り詰めることがざらにある、ロマンの時代です。

そんな時代の魅力をを独自の言語のリズム感とセンスで紐解き、クリエイティブに編み直した本作は、たとえその時代を知らずとも、これが大胆なフィクションとリアリティのもとに書き上げられた架空の年代記の一節であったとしても、のめり込ませるインパクトがあります。
一エピソードの前後を挟み込む詩情と結句がまた趣深くて良い感じです。

ただこの一戦に全知識と全神経を注入していることがひしひしと伝わってくるほどにパワフルな、『大スペクタクル短編』です。