エピローグ
ルリア達と結婚してから、二十五年の月日が経った。
俺の領地は、ルリアとの間に生まれた長男アルテウスに爵位ごと譲り、俺は自由を得ていた。
俺は妻達とリアネ城を出て、人気の無い山奥に屋敷を建て、そこに移り住んで余生を過ごす事にした。
人気が無い場所なので多少不便ではあるが、転移魔法が使える俺にとっては関係の無い事だ。
そして、人気の無い場所に移り住んだのには理由がある。
それは、屋敷に戻る事が少ないからだ。
屋敷には数人の使用人達が住んでいるだけで、俺達はほぼ屋敷で生活するつもりが無い。
使用人達の食料や日用品等を渡すために戻るくらいだろう。
最初は、使用人達も雇わないつもりだったが、来客が来た場合に誰もいないと困るので、仕方なく必要最低限は雇う事にした。
俺達はそこに住まわずに何処にいるのかというと…。
俺達は今、フィアコーネ大陸へとやって来ていた。
そしてここで、一からやり直すつもりだ。
家は既に空地を整地して建てている。
この場所は、カールが暴れてた後も人が住むことが無く、放置されていた場所だ。
元々は、ノルマールベル王国という国があったのらしいが、カールによって滅ぼされている。
そしてそこに数多くの魔物が住み着き、人が入り込んで再び生活を行えるような場所では無くなっていた。
俺達であれば、多少魔物が住んでいようが生活をして行ける。
基本的に魔物は倒さないつもりだが、襲われれば反撃はする、
カールの望みだった魔物達の楽園を作るつもりは今の所ない。
最終的にそこに辿り着けるか、あるいは魔物とはやはり分かり合えるものでは無いかの判断は、これからここに住んで判断する事にしている。
ルリア、ロレーナ、エレオノラは、魔物と戦うのを楽しみにしているけどな…。
ヘルミーネ、エンリーカ、ユーティアは、ここから領地を広げて行き、新たな国を作ると張り切っている。
人が住んでいないので、国を作るのは難しいと思うが…好きにやらせてみる事にしている。
「エルレイ、新たな戦いの始まりね!」
「うん、頑張っていこう!」
「はい、エルレイさん」
「うむ、楽しみだな!」
「そうね。楽しみよね!」
「わ、私は久しぶりに戦いたいのじゃ」
「どこからか、人を連れて来ないといけませんね」
「そうですわ。人がいなくては国は作れませんの!」
「僕は早く魔物と戦いたいよ!」
「私達は」
「美味しい食材を」
「「見つけたい」」
「エルレイさんは私が守ります」
「あっ、ロゼずるい、エルレイを守るのは私の役目なのに!」
「はぁ、私は平穏に生きたかったのに…」
「ラウラ、仕方ないです。陰ながら皆を支えていくのが私達の役目」
「マリーもそう思います」
子供達は全員置いて来たが、兄妹で姉妹で協力し合い、上手くやってくれると信じている。
何処までやれるかは分からないが、今まで通り皆と協力し合い、新たな地で頑張って行こうと、手を繋いで誓い合った。
公爵令嬢の婚約者 よしの @yoshino009
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