くだらない戦い? それがいいんじゃないか!

 皆さんは、将棋と聞いて何を思い浮かべるだろうか。難しい思考ゲーム。おじさんばかりがやっているゲーム。そういったイメージが頭をよぎるのではないだろうか。だが、この作品を読んでいると、そういった認識が誤りであったと思い知らされる。
 夫婦二人の将棋。その目的はとてもくだらない。キノコ派かタケノコ派か。醤油かソースか。どちらがハンバーガーを奢るか。そういった、本当に些細な、くだらない理由のために、二人は将棋をする。
 だが、思わず、読んでいるこちらの頬が緩んでしまう。それはなぜか。答えはひとえに、二人が将棋を心から楽しんでいるからだ。
 殺伐としない、和気あいあいとした将棋。お互いにお互いの手を読み合い、軽口をたたきながら将棋を指す。そして、対局後には、二人仲良くお菓子を食べたり、プレゼントを贈ったりする。本当にほほえましい。そこには、難しさや複雑さのかけらも感じられない。
 ちなみに、私のお気に入りの話は、第24話と第25話。あの話は本当にもう…………二ヒヒ。……おっと、素が出てしまったよー。
 将棋に詳しい人も、詳しくない人も、ぜひこの作品を読んでほしい。そして、将棋はこんなに楽しいんだぞということを知ってほしい。
 これからも応援しています。頑張ってください。




by 通りすがりの死神

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