第1話 よく晴れた日曜日①
「さてと、そろそろ着替えますか」
今日はゴールデンウィークの日曜日つまり、かなり初めの方だ。明日は学校なのである。
何故僕が外に出掛ける準備をしているのかと言うと、昨日まで遡ることになるーー
ポコンっ!!
金曜日の朝、僕のスマホの通知音が鳴った。
「……誰だよ、休日の休みに」
僕はスマホの画面を見ると、一瞬で意識が覚醒した。
『日曜日、少し遠くの公園まで行きませんか?』
それは、僕の彼女 川添 千雪からのメッセージだった。
断れば、殺されかねない……
『いいけど、どの辺?』
僕はメッセージを送った。すぐに既読がつき、
『隣の市です。どうですか?』
う〜ん、でも、隣の市なら知ってるヤツらに出会すことも無いだろう……
『いいよ!お昼は?』
『私が持ってくるから、心配しないで』
『了解、日曜日が楽しみだ』
『最高に美味しいお弁当作ってくるからね!』
『楽しみにしてるよ!』
こうして僕らのメッセージのやり取りは終わり、僕はデートのための服を買わないと行けなくなったので、僕の知っているヤツの中でイケメンでオシャレな、
『お前暇?』
『暇だよ。何処か遊びに行く?』
『ちょっと服を買いたいから、選ぶの手伝え(お前に拒否権はない)』
『勿論だよ、ところで結衣ちゃんは呼ぶかい?』
確かに、ファッションセンスだけなら、結衣がピカイチだが、流石にデートの服を選ぶのに呼ぶのは良くないよな……
『いや、二人で行こう』
『なるほど、デートに行くための服が必要になったから女の子に選ばせたくないと……』
『何故わかった!』
全く油断も隙も無いな、コイツは。
でも、意外と憎めないのも、コイツのいい所ではある。
そう思いながら、俺は氷雨との買い物に行くための準備を始めたのであった。
「それで、結局悩んだ結果白のTシャツにスキニージーンズという組み合わせで来たと言う訳か……」
「悪かったな、なんかダサくて……」
「いや、安定すぎて逆に腕が鳴るよ!!」
今日の氷雨は少しだけ楽しそうだ。
「さてと、何処に行くんだ?G○かユ○クロか?」
「どっちもだね。今回は上から下まで完璧にしたいからね!!」
「なるほど、どっちもか……、どのくらいお金かかりますかね?」
「いや、安くていい物があるから、もう既にリサーチ済みなんだよな〜、これが」
流石イケメン、情報収集力凄いな……
「じゃあ、早速行こうか」
「うん。よろしく頼むぜ、スタイリストさん!!」
「そうだね、今日の僕は君のスタイリストだっ!!」
こうして僕達は明日の為に大量の洋服を買うことになってしまったのだった。
結局1万近く使ったのは、後でわかったことである。
雨音~僕らの刻む足跡~ 汐風 波沙 @groundriku141213
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