第15話

 先生の話によると、この後部活動紹介があるようで、体育館へ移動と告げられた。


「明人はどの部活に入るつもりだ?」

「……ミス研だけは嫌だね」


 翔が人懐っこく尋ねて来たので、端的に答えると、俺はさっさと体育館へと向かった。


《関わり合いたくないからと言って、流石に冷たすぎやしないか?主殿》


 影からミラが苦言を言うが、俺はそれを黙殺したのだった。





 部活動紹介が終わり、帰宅しようと玄関を通り抜けようとすると、背後から突然ガッ!と誰かに捕まった。


「やぁやぁ明人君!ようやく捕まえたよ!」

「さ、笹山……」

「先輩だゾッ☆」


 突然現れた笹山は、俺を捕まえて何処かへと引きずっていく。


「ちょっ!?どこに連れていくつもりだ!!」

「ミス研の部室だよ〜」

「はぁっ!?」


 ちょっ、何でよりにもよってミス研に!?


「離せ!!俺はミス研には行かない!!」


 逃げようとしても、ガッチリと捕まっているうえに、上手くいなされてしまい、逃走することは叶わなかった。







「……それで、結局マスターはそのミステリー研究会とやらに入ったの?」

「無理矢理入れさせられたんだよ……」


 帰宅後、ウンディーネに肩を揉まれながら愚痴っていると、キッチンの方にお菓子をあさりに行っていたミラが戻ってきた。


「なっ!?何をしている駄精霊!!」

「奉仕だよ奉仕!!プライドだけは高い吸血鬼にはできないでしょうけどね!!」


 そうして、いつもの如く流れるように取っ組み合いの喧嘩へと移るミラとウンディーネ。


(……静かにして欲しい)


 俺はため息を吐きながらそう心から思うのだった。

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ギャルゲのモブになりたいです。 風鈴 華山 @yamatonomosi

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