5話 神話大戦

今から1000年以上前のこと。そこには人間を筆頭とする人族を束ねる統一国家ヴェスタークという国があった。その国は圧倒的な国力で数々の災害や飢饉を乗り越えてきていた国である。


だがその国に、遂に危機が迫っていた。異界である魔界の住人、悪魔である。悪魔たちは圧倒的な暴力によりヴェスターク国内のたくさんの砦や街が侵略され落とされ、絶体絶命だった。


その時だった10人の英雄と呼ばれるものたちが現れたのだ。その英雄は一人ひとりが一騎当千でその中でもアルシエルと呼ばれる女騎士が頭1つ抜けて強かった。


10英雄は落とされている砦や街を次々に取り返して行った。当時のヴェスターク国の王は10英雄達へと命令を出した。『魔界にいる悪魔の司令官最古の悪魔を討伐せよ』と、命令通り10英雄は魔界へと侵略して行った。10万もの兵士を連れて。


魔界へと侵略し、約2年がたった頃10万いた兵士はたったの100人になっていた。そして、ここで勝てば戦況が逆転するという大一番で悪魔たちを率いる最後の悪魔レインフォートが現れた。


悪魔は英雄たちに問う。


「お主らの目的はなんだ。魔界への侵略か?それとも悪魔の滅亡か?」


英雄は悪魔へと答える。


「私たちの目的はあくまでも我々人間の命の保証。それを邪魔するなら滅亡をさせるのもやむを得ませんね。」


「そうか、なら仕方ない。行け。奴らを殺せ!」


その合図により世界的に見ても後にも前にもない世紀の大戦争が起こった。


戦争は苛烈を極め英雄たちも戦で命を失っていた。


戦の最終局面、生き残っていたのは英雄たちのリーダー、アルシエルと、最古の悪魔レインフォートだけだった。


最後の戦いだった互いにボロボロだった2人の一騎討ちの決着はアルシエルの勝利で終わった。


後にアルシエルは伝説の勇者とよばれ崇拝され、レインフォートは畏怖の象徴、悪の代名詞として扱われた。


そこで本は終わっていた。




神話大戦か.....


この時代に生まれなくてほんとに良かった。



本を読み終わるともうとっくに日は沈みかけており空のオレンジ色が綺麗だった。


この本読んだし明日返さないと。


そこで思った。

あれ?名前も聞いてないし、明日の約束もしてない。返せるかな?


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異世界転生したら世界最強の2人に寄生された。 ひき肉 @sundatianbian57

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