【完結】縁結び －Valentine－

第1話 Valentine

この時期は、後悔なんてしたくないけど、

勇気が出なくて困ってる人、結構いるんじゃないかな？

どうすれば、恋が叶うの？

好きな人が喜んでくれる言葉とか、対応とか判れば良いのに！

ダメだったとき、リセットできないかな？ とか

―― 恋愛は 就きもの――

なんだか、就活みたいだよね

自分の知らない誰かが 同じように 頑張っている

だから、自分独りが 頑張ってるだけじゃ ないんだよ

アタックしてみようよ、でなきゃ 何も変わらないよ?

って 言ってあげたいけど、それだけじゃ 何も届かないよね

だから、昔話をひとつ

旦那と交際し始めたのは ２年 ほど前のことなんですが、

初めて出会ったのは、もう ７年 も前のことなんですよ

場所は、ご近所の 図書館 でした

大学の課題で調べ事をしたり勉強したり、よく利用していたの でね、あの頃のあたしは全然旦那のことなんか気にも留めてなかったんだけど、

ちょくちょく見かける顔で、偶々 隣に座ることになった事があったの

気が付いたら、あっという間に 閉館 時間になって 全然 勉強が・・・

そんなとき旦那が、眠くて仕方ないあたしに チョコレート をくれたんですよ

「たまには糖分も補給してあげないと」

って言われて、つい受け取ってしまったんだけど、

「ここ、図書館やで！？」って あとで思ったりなんかもしたんだけど、

チョコは口の中で あま～～く溶けちゃったあと･･･

その２日後に、また出会って ほんの少しお話しをしました

そのとき、チョコレートのお返しをちゃんとしなきゃ、って言ったら

「もうじきバレンタインですよね」って返されて、

もう頭ん中？？？で いっぱい

「冗談だよ」って言われて、その場は 相槌笑いで済ませたんだけど、

ちょっと引っかかってて ２/１４ にチョコレートを用意して

図書館で待ってたんですよ

でも、その日は旦那には会えず (閉館まで待ってたんだけどな～)

あたしも その日を境に 次第に 図書館へ足を運ぶ回数も減って、

　☆ あっという間に２年 が過ぎ ★

なんとか大学を卒業――

就職なんて、うまくいくはずもなく、

始めは、描いていた理想を現実のものに！とか思っていたんだけど

もう たくさん面接を受けてる間に、理想は低く

ううん。とっても低くなりまして、

１年くらい掛けて、やっと就職できました

(そのときの１年間に いろいろと遭ったんだけど、

それは、また別の機会にお話しします)

それで、やっと就職できた会社も 3年 くらいで嫌になって、辞めちゃって・・・

でも、転職は あっという間に決まりまして――

仲良くなった 先輩 と喫茶店で 休憩を愉しんでいたときに

旦那と再会！

もうすっかり忘れさられたときに現れて、

頭の中は真っ白で（たぶん 眼を まん丸くしてたんだろうな）

先輩が「どうしたの？」って声掛けてくれるまで、

現実が現実でなくなってて「知り合い？」て言われるまで、

ずっと旦那を眼で追ってたことすら自覚なかったんですよね

そのときの旦那は、あたしのこと見て見ぬ振り

それから１週間後に同じ喫茶店でまた再会

そのときは、あたし一人で入ってて 向こうも一人

――話しかけようかな？――

でもあたしだけが覚えてるのは悔しいし･･･、みたいなことを思ってたら、

向こうから話しかけてきてくれたの

そのときの旦那の第一声が、

「え～っと･･･。覚えてますか？」

って もう普通に噴出しちゃってさ、本当に何が愉しかったのやら

きっと、嬉しかったんだろなぁ･･･

それからは、とんとん拍子で 結婚まで いっちゃったんですよね

『縁』って本当に、不思議なものですよね

あたしの場合は、旦那さまが きっかけ を作ってくれた物語なんだけど、

ちいさな きっかけが恋となり、いろいろと 協力したり、さけび合ったり

ケンカしたり、嫉妬したりで愛情を育んできました

(でも、先に告白したのは あたしなんだよ！)

どうですか？

少しは頑張ってみよう と思ってもらえましたか？

皆さんは今年、どんな バレンタイン を経験されるのでしょうか？

ううん。夏休みでもクリスマスでも、恋は突然に気付かされるものなんだから

傷ついたり、周囲から 嫌な噂を立てられたりしたって・・・

辛くなる事も 何度も 経験するかもしれないけど、

　勇気をもって 告白しようよ

時間は、元には 戻せないんだから…

◇　了