引っ越し
シロは元々親元を離れた一人暮らしをしていた。
親が放任主義なため全然反対もされず、
一人暮らしを許されていた。
だから、どこに引っ越しをするでも親は何も言わずに契約を許してくれた。
「もしもし、お父さん。私ここの家だと都合悪くなって引っ越したいの。
どこか遠いところに。」
『何だそりゃ。まぁいいけど。どこでもいいぞ?』
相変わらずシロに興味がないようでどこでもいいと言われた。
「海外に行く。お母さんがいるところ。」
シロの母は父と現在別居中で海外に住んでいる。そこの国へ行こうと考えた。
『んじゃ、母さんと話あってくれ。』
電話は切られた。
「外国行くの?」
「うん...行くよ。逃げるにはちょうど良いでしょ?」
飛行機の券を買ってすぐに外国に出発することにした。
「ボクはシロの味方だよ!なんでも言って。
ボクなんか頼りないけど、きっとアカさんみたいに役に立ってみせるから!」
シロは目を見開いた。
今まで頼りなくて、自分が犯罪を犯したいという欲求を満たすための道具だとしか思っていなかったクロにこんな言葉をかけられて驚いたのだ。
それと同時に少し、クロのことを可愛いと思った。
「ありがとう...!これからも一緒に暮らそうか。」
「うん!」
クロは嬉しそうに返事をした。
一週間後
海外に来ることができたシロとクロはシロの母親の元へ行った。
「あぁ、叶絵。どうしたの?」
「しばらく匿って欲しいの。
お金はお父さんから貰っていたのをここの通貨に変えてあるから結構あるし迷惑はかけないから。住む場所だけ欲しいの。
私と、この子の。」
「いいけど。自分のことは自分でやってね。
それなら全然使って。」
流石シロに興味のない両親だ。
深い理由などは一切聞く気もない様子で
受け入れてくれた。
「ありがとう!」
お金は本当に結構持っているから困りはしないはずだ。
ここで、クロと二人で何かしていくのも良いのかもしれないと思いはじめていた。
「クロ、私さアカのことそんなに思ってなかったのかもしれないね。
あんなに悲しかったのに、今じゃほとんど
考えなくなってる。やっぱり私おかしいのかな、、、?」
「おかしくないよ!だって、アカさんとはまだ会ったばかりで、ただの同士に過ぎなかったんだから。一緒に暮らしてるボクのことを考えてくれればそれでいいんだよ?」
最初は閉まっていたクロの頭のネジも完全に緩んでいた。
シロのネジと同じく。
シロはクロの言葉に納得して笑顔を見せた。
やっと、クロに心を開いてくれたのだ。
「これから色んなことしようね!
クロといっぱい遊んでさ、毎日クロと一緒に寝るの!」
シロは目を輝かせた。
「やったー!それだったらシロとずっと一緒だね!」
クロが抱きつくとシロはそれを幸せそうに受け入れた。
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