第9話

目を覚ますとそこは病院だった。大勢の警察官に囲まれながら座っていると母の顔が見えた。

涙を流す母を見て、僕は涙が枯れるまで泣いた。

拓斗が一命をとりとめたこと、そして彩佳はバラバラの状態で土から見つかったことを順に告げられた。


人の命ははかない。

いつだって、どんな時だって、息をふきかけた蝋燭のように、すぐに無くなってしまう。

いつも隣にいてくれた人がいつまでも隣にいてくれるとは限らない。

あなたはどうだろうか、

それでも大切な人を守れるか。


そして、愛とは何か。

人を強くするのか、弱くするのか。


最後に、彩佳へ。

君の笑顔はもう戻らない。

どんなに話したい事があろうと、聞きたい事があろうと、彼女はもう帰ってこない。

せめて、冥界で幸せであれ、と。



愛をこめて。

向日葵のような君へ。

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向日葵のような君へ カイト @Kinbala

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