まだ三章の途中までなのですが、まず設定がすごく面白いです。
病気の少女が「手術の間だけ、ゲームの世界で、生きる力を見つけ出す乙女ゲーム」の世界に入っていきます。
時折出てくる不治の病の少女の両親との会話なども、切なくなってしまいます。
乙女ゲームをしたことがない私としては、ほう、こんな感じなのか、と思って読み始めましたが、
「誰もモブなんていない、その人の人生があってみんな主役」
のようなストーリー性を感じて、とても心が暖かくなります。
まだ最後まで読んでいないので、この後が楽しみです!
まだ読みでない方がいらっしゃれば、私もまだまだ世界観に浸りにいきますので、ご一緒にいかがですか?
もしかしたら、私もゲームの世界のどこかですれ違うことがあるかもと、思えるほど、ゲームの世界は暖かく優しい異世界で、楽しいです♪
オススメです!
『願いの木』
その、ガラスのように輝く真っ青な木に、サアッと風が吹き、真っ青な葉がカチチッと音を立てる。
その幻想的な光景が、私を捉えて離さない。
その木は、乙女ゲームの中にある主人公であるサクラが持つブローチの、サクラの花の結晶を捧げる場所だ。
願いを叶えて貰うために。
また、その願いはゲーム内だけではなく現実世界に影響を及ぼすことが出来るという。
人であれば大概、願いとは自分の為にするものである。
だが、この物語の、サクラは違う。
明日の命も知れずにいる所為で、素晴らしい自分の価値も、愛されていることにも気づけないでいた少女が、ゲームの中できっぱりと宣言をするところは胸が締めつけられる。
『誰かの為に何もできなかった私が、誰かを助ける事ができる』
そうして、命が宿ってしまったゲーム内のキャラの為に、奔走することになるのだ。
この物語は、優しさに溢れている。
描かれる人物も、風景も、登場人物がふとした時に見せる仕草も、みな優しい。
果たして……。
サクラは、どんな恋をするのだろうか。
この世界に隠されている秘密は何か。
ぜひ、その目で確かめて頂きたい。
燦く水面を見ているような、そんな気持ちになる物語なのだ。