誰もが1度は考えるべき重要なテーマを含んだ小説

命の選択という問題について考える際に、必ず出てくるのがトリアージという言葉だ。これは、傷病者の重症度を基準に、命の優先順位をつけるやり方である。

しかし、この作品は、トリアージという概念が通じない。2人とも同じくらい、命の危険に脅かされており、それぞれ違う場所で、異常が起きている。

そこで、重要なのは、クローンに人権はあるのか、という問いだ。この小説では、王女と、そのクローンである女の子、そして王様が出てくる。

クローンは、その元となる人間と全く同じ権利を享受できるのか?
クローンを人間と全く同じ存在としてとらえることができるのか?

様々なことを考えさせられる小説だった。
ぜひ、他の人にも勧めたい。

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