第18話 繋がり

「はぁ……」

「どうしたのよ、急に溜息なんか」

 

「まぁ少し……ちょっといいかな?」


 俺は手招きをしつつ顔を近づけるように小声で言う。


「な、なによ?」

  

 周辺を少し見た後沙月も顔を近づける。

 少し照れているのか顔が赤い。


「安心してキスするわけじゃないから」

「ッ!そんなん期待してねぇから!」


「そう?まぁいいや。それより俺の後ろの方の席に雄二いない?気づかれないように見てみて」

「雄二?……あぁお前といつもいるやつか」


 答えながら俺の後ろの方に視線を向ける沙月。


「いるぞ、私たちの席の一つ挟んだところに。あともう一人女子がいる」

「はぁ……やっぱりか」


 やっぱり面白がって観察に来たなあの野郎。

 ついでにいるのは恐らく沢木さんだろう。彼女も雄二に似てそういうのには目がないのか。似た者同士だ。


「やっぱりって?」

「あいつらが俺が紹介したかった友達だよ、来ないとか言っといて見に来てるんだ」


「なるほどねぇ、観察はあんまり気に入らないな」

「同意見だ」


 隠れて見るにしてももう少し上手くやって欲しいものだ。さっきから物凄く視線を感じると思っていたが案の定雄二だし。


「ねぇ時間あるし、仕返ししない?」


 何か妙案が思いついたのか悪い笑みを浮かべている。


「仕返し?」

「まだ時間もあるし校舎の裏側に行ってあいつらをおびき寄せて待ち構えるのよ、どう?」

 沙月はこういう揶揄ったりするのが好きなのだろう。凄く生き生きしている。


「いいよ、さっそくやってみようか」


 俺たちは自然な感じを崩さず片づけに行きそのまま校舎裏へと向かう。


「しっかり付いて来てるみたいだ」

 時々曲がるときチラッと後ろを見たが雄二達が見えた。


 そして校舎裏。

 普段はあまり来たことがないところだったがしっかりと手入れが行き届いていて雑草なども生えていない。


 流石日本高校。

 細部にもしっかりと手入れが行き届いている。


「来るよ」


 そんなことを考えていると雄二達が来たらしい。

 薄っすらとだが「こっちか?」「多分」という会話が聞こえる。



 そして。

「うわぁ!」


 曲がり角を曲がった瞬間俺たちがいたからか雄二が大声を上げる。

 沢木さんはやべぇとどこかあらぬ方向を向いているが言い逃れは出来ない。


「雄二、これはどういうことかな?」

「えぇっと、なんとなく校舎を見て回ってて……な?」

「そうそう!ほら私たち一年でそんな場所知らないじゃない?慣れるためにも探索をね」


 まぁ即興で思いついたにしては上出来だ。特に沢木さんのフォローが素晴らしい。


「じゃあさっき俺たちを監視してたのは?」



「「…………すいませんでした」」


 


 

 


 

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なぜか俺が美少女を恋に落とす恋愛ゲームをすることになりました @uraomotekouin

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