第72話 予告 オードール100年戦争


 オードール――


 今でこそ中立都市オードール砦灯台と名乗っているが、1000年前の我が聖剣士リヴァイアとなってから体験した初の遠征の地、オードールは中立都市でもなく。そして、砦灯台もなかった。


 オードールはサロニアム・キャピタルと同盟国だった。

 当時は交易も文化交流も盛んだった。


 サロニアム・キャピタルとオードールは、砂漠をぶった切る大渓谷を挟んだ間柄だ。

 サロニアム大陸の中央にキャピタルがあり、大陸の南西の内海に面した場所にある都市だ。



 サロニアム・キャピタルは、大陸の南岸に都を築いていたことがあった。

 旧都ゾゴルフレア・シティーである。

 ゾゴルフレアは海峡を挟んだ外海に面していたけれど、オードールとはその頃から交流があった。

 サロニアム・キャピタルとオードールが長く同盟関係でいられたのも、その頃からの交流の甲斐があったからだろう――


 サロニアム大陸の西には当時は敵国のグルガガムの大陸があり、両者の下、オードールから内海を越えたところにゴールドミッドル大陸がある。

 ゴールドミッドルは未開の大陸だ。

 1000年が経った今でも、サロニアム大陸とグルガガム大陸との交流はほとんどない。


 内海に海蜘蛛という巨大魔獣が居座って、それも1000年か――


 荒れ狂う内海の果てにあるゴールドミッドル大陸だ。

 一方のサロニアムとグルガガムは、大海獣リヴァイアサンが住む外海から大海峡で分断されている。

 けれど、飛空艇では数時間の距離の敵国である。



 我が聖剣士になるずっと、ずっと以前から魔族は闊歩していたのに、それでも人類は戦争を続けてきた。

 同じ生物同士でこうも長々と覇権を争うのは、おそらく人類くらいではないか?





 聖剣聖者編 終わり

 戦嬉編に続く


 この物語はフィクションです。

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【第三幕 聖剣聖者編】聖剣士リヴァイア物語 ~ リヴァイア・レ・クリスタリア ~ 橙ともん @daidaitomon

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