「 」

こま

第1話

暑い日差しに照らされた私の肌は

小麦色に焼けてきていた。

いつものように自転車を漕ぎ、

風を受けながら学校へ向かう。

私の名前は藍那。高校三年生だ。

自転車を降りて額の汗を拭いながら

昇降口へ歩く。

横から誰かが来る。

気になってそちらの方を見てみると、

彼がいた。

彼は北斗。私の好きな人だ。

たまに登校時間が被る時があり、

被った時には私のテンションが高くなる。

私は北斗の事を唯一話す友達がいる。

その友達の名前は美月。

美月は北斗と少しの間部活が一緒だった。

そのためお互いの連絡先も持っていた。

北斗は部活をやめてしまい、

接点が一時期無くなってしまったものの、

美月と北斗は好きなアーティストが同じだったということもあってまた話すようになった。

だから美月は北斗のことを割と知っている方であった。

そんな美月だからこそ、私は北斗の事を話す。

美月は恋愛をよく分かっていないから、

私の気持ちはあまり分からないと思う。

だけど恋愛をよく分からないからこそ

客観的に見ることができる。

美月は私が北斗の事を好きだという事を

言いふらしたりしないし、

話もよく聞いてくれて相談も乗ってくれる。

そんな美月を私はずっと頼りにしていた。


ー続く

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「 」 こま @kokakisann

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