地下の小部屋の怪人形

DITinoue(上楽竜文)

地下の小部屋の怪人形

「ねえねえ、今日はどんな都市伝説はなそ?隠し部屋系にしよっかなぁ~」

 そう話すのは、友人の真子。私は、なの香。同級生どうしだ。

「あのさ、何回も言ってるけど、私怖いの苦手だからやめてよ~。」

 なの香は、怖い物語などが苦手で、ホラーが大好きな真子とは、対照的だった。

 このような言い合いをしながら、今日も下校。初めは、2人で帰っていたが、

 そのあと分かれて、いつもの交差点についた。すると、ボロボロの服を

 身にまとった怪しげな男性がギロっとこちらをにらんでこう言った。

「お前には、呪いがかかっている。この前、妹の人形を隠しただろう。

その人形の呪いだ。人形はかわいらしいモグラだったろう。地面に異変が起こる。」

 え、どういうこと?ああ、妹の由佳子の人形をイタズラで隠したっけ。

 でも呪いなんかないでしょ。地面に異変が起こるってなんも起こってないしな。

 そう思いながら、特に何事もなく家についた。

「あら、おかえりなさい。」そうお母さんが声をかけた。

「由佳子の人形あった~お姉ちゃんひどい~」そう由佳子がつぶやく。

「モグラさんが怒ってるよ!あやまって!でないと痛い目にあうぞ~。」

だから、そこまでやんなくってもいいでしょ。人形ぐらいでさ。

由佳子がずっとブーブ怒りながら一日が終わった。そしてベットに入ったが

なかなか眠ることができない。真子が話していた隠し部屋と、あの男性の

話していたことが少し気になる。まあ大丈夫だろうとは思いながら。

その時だった。グラグラグラ・・・

 地震だ・・・そう思った時には、なの香は、がれきの下だった。

「なの香・・・助けて・・・お願い・・・」

 ・・・お母さんの声だ・・・。なの香は、がれきをどけると、お母さんの声が

 する方に進んだ。

「お姉ちゃん!お母さんの声があっちから・・・。早く行ってね。」

「うんわかった。心配しないで・・・。」

 埋まっていた由佳子と話をして、なの香は、ゆっくりと進んだ。

 そして、なの香は、頭にあるものが思い浮かんだ。

「隠し部屋。地面に異変。モグラの人形。まさか?んなわけないっか。」

 そう思ったなの香は、不思議が芽生えた。

「そういえば、呪いって何だろう。」

「なの香、早く・・・じゃないとヤバいよ・・・」

 急がないと。そして、なの香は、気をつけながら、ゆっくりと近づいて行った。

そして、なの香は、はっとした。ここはどこ?気づけば、そこは、地面で

通路のようになっていた。そして、小部屋が見えた。

「なの香、早く早く。」

 そして、たどり着いたところには、お母さんはいない。ましてや、

声もしなかった。そこに、地面が動いた。ボコッ そこに、由佳子の

モグラの人形があった。それが、なぜか大きくなっている。そして、

怪物級の大きさになった。

「お前はゆっくり来たから、のろいがかかったのだ。お前はすごくのろまだった

そのたたりだ。私は怒っている。」

「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」

そして、なの香は、その変身した怪人形と共に、煙のように消えてしまった。」

そして、地面から、「これで怒りが覚めた・・・!」という怪人形の声だけが残った。

 この地震に巻き込まれて、被災した人もほとんどが救助されて、復興を

果たした。なの香のお母さんたちもいつも通りの暮らしをしていた。しかし、

なの香という人を知る人も見る人もこの世にはいなかった。由佳子は、真子と

なの香が交差点であった、男性とともに、怪人形を抱いた。そして、こう叫んだ。

「私の人形を怒らせた人が次の晩だぞ・・・!」と。

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地下の小部屋の怪人形 DITinoue(上楽竜文) @ditinoue555

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