『追憶のゲシュタルトⅢ―八岐ノ大蛇篇―』-Reminiscence of Gestalt Ⅲ-Eight necked snake-

作者 紡≒Tsumugi

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「あーあ、結局本当のこと言えなかったな……でも、ありがとう」 紡≒Tsumugi



　――その『最愛』は、『黄昏』を呼んだ――
　――The "beloved" called "twilight"――


「快楽に溺れるのは、いつだって簡単だった」

　実態不明な機関の命ずるままにただ行動する主人公『坂井雄介』は、自らの行いが多くの人々を巻き込んでいる事から目を背けていた。

「だってどうしようもないじゃないか」

　もはや、そう自分に言い聞かせることすら忘れてしまう程に……だからこそ『八代奈美』との逢瀬に没頭してしまうのは当然だったのかもしれない。

　奈美もまた自らの『期限の日』が近いことを知っていた。

　そんな境遇から２人はますます激しく互いの想いを重ねていったが、奈美はその度に雄介に繰り返し謝罪する。

「ごめんなさい、私はきっとあなたを傷つけしまう」
「大丈夫ですよ」

　そんな回答をする雄介は自分の思い違いに気づけない。


　そして、ついに『期限の日』がやってきた。


　――その『最愛』は、『黄昏』を呼んだ――


　この[α崩壊]により、遂に世界は目に見えて変質を始める。


　第４部『追憶のゲシュタルトⅣ―白面金毛ノ九尾篇―』へ続く。


　２０２１年８月２０日〜プロトタイプ初公開

目次

連載中 全2話

更新

  1. ◆序章≒1∨26∴Ⅲ―八岐ノ大蛇篇―〜▼
  2. 序章『時化』――
  3. 一章一節『先行』―――