『引き出し』スキルの正しい使い方は、他人の才能や魅力を『引き出す』ことだったようです。でもタンス開け用のスキルだと勘違いしていたので追い出されます。仕方ないので『孤児院』で新しい人生を謳歌します。

『引き出し師』と呼ばれた男アルトの役目は、引き出しを開けることだった。
パーティーメンバーから「なにしてんだ、あいつ」と奇異の目で見られながら早一年。
アルトはついに「お前はクビだ」とパーティーから追い出されてしまう。
だが、呆れた女神からの助言によって、アルトは己の才能が『引き出しを開けること』ではないと知る。
本来の才能が『他人の才能や感情を引き出すこと』だと知ったアルトは、追放したリーダーからの推薦で孤児院へと向かい、そこで恵まれない孤児達の才能を開花させていく仕事に没頭するのであった。