適性試験
(筆記試験終了後)
筆記が終わった。うん、なかなかの出来だったな。分からないところはあったが、筆記で落ちることは無いだろう。というか、この後が本番と言っても過言ではないだろう。
「それでは15時から適性試験を開始します。時間通り開始できるように受験番号順に並んでおいてください。」
15時まであと30分、俺の受験番号は3桁なのでそれなりに時間があるので少し休憩していた。
「よう。筆記試験はどうだった?」
一息つこうとした時、横から声がした。
「ん?ああそれなりにできたぞ。」
知らない顔だったが向こうも勇気を出して声をかけたのだろう。ちゃんと反応してあげなければ可哀想というものだ
「いやーこの空気感苦手でさー。暇そうなやつに声掛けたんだよ。俺、ザンツ・ディアーズ。まだ合格かわかんねーけどよろしくな!」
「ああ、こちらこそ。エリルイト・フューリーだ。見ての通り退屈してたところだ。よろしくな」
「ああ!時間が来るまで少し話そーぜ!」
「構わないよ。」
思ってたより元気なやつが来たな。
「エリルイトは魔法機の戦闘見たことあるか?」
「なかなか急な質問だな。もちろん見たことあるよ。というか、この高校を選んだこの会場の全員が見たことあるんじゃないか?そもそも見たことなければ魔法機専門戦闘をしたいと思わないだろ。あ、あと俺のことはエリと呼んでくれ。」
「分かったぜエリ!確かに見たことなけりゃ興味持たないよな。」
「それより、ザンツ。知ってるか?今年の3校の受験生の数。」
「ん?例年通りなら3000人くらいじゃないか?この中から200人しか合格できないなんて、相当やばいしけんだよなー。」
「実はな、今年は例年に比べて数が格段に増えて5000人近いらしいぞ。」
「え?!5000人!!それはやばくないか?倍率25倍だぞ?」
「ああ、お互い悔いの残らないようにしような。さてと5分前だ、並ぼうぜ。」
そう言って俺たちは適性試験官であろう人の前に並んでいった。
「よし、並んだらこの機械に手を通せ。かざしただけでわかるから気張らなくていいぞ。」
試験官の言葉通り前から順に機械に手を通していった。1人あたり2分弱で終わっていたためあまり時間はかからないだろう。
そうして全員が適性試験を行い、元の席に着いた。
「これにて入学試験を終了する。合否判定は専用の魔法機とともにお送りする。では合格したものはまた後日。不合格のものもまだ他7校の後期が残っているので気を落とさないように。では解散。」
試験官の合図と共に皆帰りの支度を整え始めた。さてと、俺も帰るか。
「おーいエリ!」
遠くからザンツの声が聞こえた。
「入学できるかわかんないけどもし入学出来たらそんときはよろしくな!」
「ああ、こちらこそよろしくな。じゃあ、またな。幸運を祈る。」
「ありがとう、そっちもなー」
そう言って俺は帰路に着いた。
国に酬いる ふぉーと @ryuto07
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