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  • 第5講 密室とは? への応援コメント

    ごきげんよう、密室での事件は、やっぱりミステリーの花形なのですね。
    個人的には探偵さんが密室の謎を推理で解き明かしても、「さて、じゃあ誰が?」が判らないと解決にはならない(逆に言えば、密室(故意に密室にしたなら)なら殺人じゃなくて自殺に見せかけないと意味がないじゃない? とも思えますが)ので、そちらの方が興味があったりするのですけれど。
    でも、密室トリックが見事に美しく解き明かされたら、読者としてはスカッとしちゃいますから、その意味ではミステリーにおける一番のヤマ、花形ということになるのでしょうね。
    次回も楽しみにお待ちしていますね。

    作者からの返信

    ごきげんよう、さすがおださん! 

    >逆に言えば、密室(故意に密室にしたなら)なら殺人じゃなくて自殺に見せかけないと意味がないじゃない? 

    すごくいいご指摘です! そうなんです。密室であることを自然に見せたかったらやっぱり「自殺」か「病死」に見せかけることがベストアンサーなんです。ただ、ミステリー界隈においては(特に本格ミステリーにおいては)、単純に「俺の作った謎、解ける?」みたいな「作者から仕掛けられる謎解き」が発生し得るので、不自然に見える密室もご愛嬌、みたいなところはままあります。それでも僕としてはやっぱり、本講で書いた通り、自然に見える密室が一番魅力的で美しい密室だとは思いますけどね。

    密室にまつわるフーダニットにつきましては、多くの場合「密室条件を作れた人間が犯人(本講だと『一、』に該当する場合なんかは特に)である」という理屈があてはめられることが多いので、密室もやってフーダニットもやって、はかなり豪華な作品になります。今回紹介した作品の中にはそういうことをやった作品もあります。

    嬉しいなぁ、こういう風にお話しできるのは本当に嬉しい! 
    読んでいただけて、感想もいただけて嬉しいです! 
    また次もお楽しみに! 

  • ごきげんよう、なるほど、そんな歴史を経て日本ミステリーは育ってきたのですね。
    確かに横溝さんなどは、その動機が陰惨な地方の孤立しているような集落での闇に葬られたような風習や人間関係、上下関係などでしたけれど、私のような残念な頭脳の持ち主(推理ができないから物語として楽しむ派)は、このようなホワイが中心になった物語のほうが断然好みなのですが(以前にも書きましたが、米澤穂信さんなんかも、ホワイがとてもとても切なくて優しくて好きなのです)。
    松本清張さんの作品は後期の作品はもう、社会派でミステリーと思わずに読んでいました。その意味で言えば、バブル崩壊後の経済小説なんかも、ある意味「社会派ミステリー」な部分があるようにも思えますね。

    作者からの返信

    ごきげんよう!
    今回はホワイダニット云々よりもジャパニーズ・ミステリーについて語った回になっちゃいましたね……(笑)。
    米澤穂信さんいいですよね! 
    僕も弟と一緒に兄弟揃ってハマってます。最近米澤穂信さんがまとめたアンソロジーみたいなの出てたから買ってみようかな。
    おださん、ちょくちょく自分のこと「残念な脳」って言いますけど、毎度こんなに熱のこもった感想くれるんですからちっとも残念じゃないです。残念だなんて言う人は飯田さんがこらしめます。

  • ガリレオシリーズはハウダニット。
    そう考えると、理解が進むような……。
    なじみ深いミステリーがガリレオシリーズなもので。

    作者からの返信

    最近のガリレオシリーズはどうかはさておき、初期は本当にハウダニットでした。
    いい作品ですよね。

  • ごきげんよう、ハウダニットは推理小説の華、という感覚は、私は昔から持ってます。時刻表トリックや密室トリックを解いていくというのは探偵さんによってアプローチや思考が違っていて面白いですよね。もちろんフーダニットと組み合わせると推理の幅が広がるような気もしますし。
    でも、完全に文系脳な私には、やっぱり一生書けないんだろうなぁ。
    物語の創造の仕方自体が、きっと私には合ってないのでしょうね(帰納的であっても演繹的であっても)。
    ハウダニットには含まれない叙述トリックは、推理能力のない私みたいな文章読みの人間にはだけど響きます(凄いと思った叙述トリックは、筒井康隆さんの「ロートレック荘事件」でした)。
    フー、ハウ、ホワイ、どれも私は苦手ですけれど、倒叙ミステリーは大好きで、最初から分かっている犯人と動機、トリックを、探偵さんがどうやって紐解いていくのか、ストーリー展開自体がサスペンスみたいなので。

    作者からの返信

    ごきげんよう、『ロートレック荘事件』ですか! 面白いですよねあの作品! いい趣味をなさってる。叙述って言うと乾くるみや殊能将之や歌野晶午さんを挙げる人が多いですが、筒井康隆さんはいいセンスしてると思います! 

    倒叙型、僕も好きです。中学時代を『古畑任三郎』と『刑事コロンボ』を見て過ごしたので、ミステリーに入門したのはほとんど倒叙型がきっかけだと言ってもいいくらい馴染みがある分野です。世界三大倒叙型だと僕は『伯母殺人事件』が好きかなぁ。何だか皮肉が効いてて。
    いつか倒叙型の講義もします。

    ミステリーに限らず、どんな小説も創作も、楽しんだもの勝ちなので、得意不得意考えず、気楽にやってくださいな。

  • ごきげんよう、そうですね、フーダニットは、推理やミステリーでなくとも、ストーリーテリング上のテクニックや、ストーリー展開自体の必要性から確かによく使いますね。
    でも、私が浅学なもので、フーダニットだけの一点突破の作品が最近出たとは知りませんでした。
    どうしても、フー、とハウ、フーとホワイ、もしくは3つ揃ってという作品が多いのように思えます。
    十戒も二十戒も、推理しながら読む読者には破られると「ズルイ!」という感想があがっちゃうかも知れませんね。私は頭が残念なので、端から推理なんてできなくって、ただただ物語を楽しむスタンスなので、別に構わないのですが(米沢穂信さんの作品は大好きですが、私は端から、切なくて残酷で、でもどことなく優しく哀しい素敵な物語、として読んでます)。
    でもアガサさんは時々読者への挑戦とかしてますよね?
    今回も勉強になりました、ありがとうございました。

    作者からの返信

    ごきげんよう、今回も遊びに来てくださりありがとうございます! 
    確かに三つ揃う方が多いかもしれません。謎は多い方が面白いミステリーですし、一見すると別々の三つの要素が絡み合うミステリーは間違いなく良作です。

    僕は推理しながら読む時とただただ楽しむ時とあるので、どちらの方向からでも、という感じです。
    読者への挑戦を表立ってやってるのはエラリー・クイーンの印象かなぁ。彼に影響を受けた日本の作家さん、有栖川有栖さんや法月綸太郎さんなんかは読者への挑戦をしますね! 

    また遊びに来てください!

  • 第1講 ミステリーとは?への応援コメント

    ごきげんよう、凄く、納得できて、胸にストンと収まるお話でした。

    私も推理小説? ミステリー? は読みますが、なんだか日常の謎、とかも好きなのです。確かにミステリーって刑事事件が起きなくてもミステリーだよね、って。
    ついつい、トリック考えるのは無理だわ、なんて思いってしまいますが、確かに読者へ謎を提示する、それが一番大切なんだなと思いました。
    勉強になりました、ありがとうございました。

    作者からの返信

    ごきげんよう、受講ありがとうございます(受講とか言ってみる)。

    「ミステリー」を抽象化すると本当に「謎を提示できるか」に尽きるんです。
    そしてこの中でも触れましたが、「解決」は「謎」がないと成立しないので、ミステリーの中で「解決」は重要な要素ではないんです。

    そんな話も今後していけたらな、と思います。