第2話 捜索

その日学校は大騒ぎ、百合子がいなくなった・・・

「なんで私を部室に連れてきたんだよ」

まなつが私を強引に後ろから押して部室に入れようとする

「いいからいいから、みのりんセンパイ、あすかセンパイ連れてきたよ」

「ありがとう、早速だけれど、白鳥生徒会長を探す作戦会議をはじめるわ」

「・・・帰る」

「ダメ! みんなでやらなくちゃ!」

まなつが手を広げて私を通せんぼする

「どけよ」

「ダメです、あすか先輩、一人で探すんじゃないかってみのりんセンパイが言ってたから」

よこからさんごまでドアを塞ぐ

「ああ、もう、さんごまで」

しぶしぶ席に着いて周りを見ると皆心配そうな目でこっちを見ている。さすがに私が大人げないよな、そうか、そうだよな。

「すまない、冷静じゃなかったみたいだな」

「いいわ、それよりみのり、あなたの推理を聞かせなさい」

ローラは相変わらずの様子で席についてみのりに話をうながす。

「後回しの魔女の仕業で間違いないと思う」

「なんでわかるの!?」

「警察の遺留品の中に先輩の私物が海岸で見つかったって、周囲に争った痕跡はなし、つまり」

「やる気パワーを奪われて連れ去られたってことか?!」

「いつもと違うのはゼンゼンヤラネーダが出ていない事、何か別の目的があるんじゃないかな」

「つまり・・・!」

「ああ、ローラの時と同じだな、今度は乗りこんで行ってやるぜ」

「まぁ、このあいだ魔女の住み家は見つけているわけだし、ね、くるるん?」

「くるるん?」

「もしかして、ローラ、場所を覚えていない?」

「失礼ね!! 覚えているわよ、ただ、くるるんが居た方が正確ってだけよ」

「くるるん!」

「大丈夫、まかせてって言ってる」

時々みのりはエスパーかなにかではないかと思う時がある

「さっすがくるるん!」

「決まりだな、行こう」

「うん!!」



後回しの魔女の住処


後回しの魔女様の部屋の掃除を終えたエルダがバトラーの元へやってくる

「ねぇバトラー、さっき連れてきた子あれなぁに?」

「あれは、愚者の柩を開くための鍵の一つだそうです」

「鍵? やる気パワーが鍵じゃないの?」

「ええ、あれは愚者の柩の力、すなわちごはんのようなものです。鍵とは別なのです。さきほどの人間はそれに適した状態だったので連れてきたのです」

「ふぅん? ま、いっか! あたしはお願いかなえてもらえるならなんだって」

「そういうわけで、エルダさん、お願いをかなえてもらえるよう、やる気パワーを集めてきてください」

「バトラーってばホント人使い荒くてきらーい!」

「おやつはちゃんと用意しておきますよ」

「おやつ!? じゃ、ちょっとくらい頑張っちゃおっと!」

エルダはそう言ってバトラーと別れた

「・・・・・・」


海中

「くるる~ん!」

「・・・待ってろよ、百合子」

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会長が闇落ちするはなし ソーニャ///スターチス @sonia_statice

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