騎士ジョアンは修道女エリシュに随伴する。22


 ミラシア国王と宰相、それに近衛隊に見送られて、修道女エリシュと騎士ジョアンは出立した。来た時と同じ、気持ちよく晴れた季節の空だった。

 修道女エリシュにとっては不本意なようだったが、復路はゆっくりとした歩調の旅だった。騎士ジョアンはそれで良いと思った。──さしものエリシュ様も、その平然とした表情の下にはまだ回復しきれていない疲労が潜んでいるようだったから。

 ミラシア王国のなだらかな丘陵を越え、関所を抜け、本山へと続く巡礼路を辿り──やがてふたりは本山へと帰還した。

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オルゴニア人民政府物語 プロ♡パラ @pro_para

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