先ずジオルグの報復とそれ迄に取り掛かった行動理由。
先代の母上はその家系故か入り婿の思惑は分かってはいたとその息子に託し、息子は託されたモノを理解し掌握とクズ共の断罪する為の証拠集めとより残酷な死を行う。
……色々と言いたいところだけど、一人の思考と言動、思惑。他人から見た相手の思考と言葉とその意図。自分から見て相手の能力や考え方とその思惑。貴族としての矜持か貴族としての立場という毒にも極上にもなるモノに縋るか。王位を持つと王位を持たぬというその立場と鎖。
惨劇と絶望の中で王位を持った事で己の立ち位置が明確になり、聡明化する王女の胆力。
様々な人物を描きながらも一人の人物像を明確に描き、物語の流れもどういう風に持っていくのか考えさせられる。
兎に角、続きが楽しみで仕方ないです!
これでエンドはどういう風に行くのかが……。
ざまぁという言葉が流行り始めて色々な作品が世に生み出されました。
しかし、その殆どはざまぁではなく、読み手にストレスを与える中途半端なざまぁのようなものでありました。
突如、中途半端に善性に目覚めた主人公が自分勝手に与える復讐相手への赦し。何度『違う、そうじゃないだろ』と思ったことでしょうか。
最初に延々と語られた復讐心は何処へ行ったのか?主人公の唐突な赦しに、絶賛するハーレム要員に何度失望させられた事でしょうか。
本作もどうせその系譜であろうと思い込んで読みましたが、序盤でその考えは否定せざるおえませんでした。
やられた分はきっちり手加減無しに相手側にやり返す。
自分とその家族と家臣が虐げられた分、しっかり相手にも同じ目にあわせる。
中途半端な赦しはなく、しっかりとざまぁは完遂されます。
混ぜモノなしの正統派のざまぁを読みたい方は、是非本作品を読む事をお薦めします。但し、初めてざまぁを読む方はお気をつけください。本作を読んでから他のざまぁ作品を読んだ場合、その中途半端さにストレスを感じてしまう可能性がありますので。
余談ですが、第二部は少し主人公に人間味が出てきて迫力が薄れた気がします。
少し緩んだ空気をここからどう締めるか、それとも味としてこのまま継続するか、楽しく更新を待ちたいと思います。