7,000字の中に笑いとサスペンス、感動あり。移動時間などにおすすめ

喫茶店の中で進む7,000字の短編。
ある男が読者から見たら誰だかわからない相手に宛てる手紙に悩んでいるが、それを若い女性二人が手伝い(あるいは邪魔?)するという内容。

はっちゃけた若い二人の女学生のキャラが鮮烈で笑えつつ、短い中でキャラ付けや伏線がしっかりしていて、読んでいるときは読む側の感情がぐるぐる回ります。

暑い夏、小さな喫茶店とロケーションが良い中で、なぜか唐突に始まるラップバトル。どこかノスタルジックな雰囲気とナウいヤングな雰囲気が絶妙にマッチしており、読後感はさながら縁日で飲む清流で冷やしたラムネのようにさわやか。

手紙で韻に頼るって最後の手段でしょは意味不明すぎて笑えました。
でもまぁいいのか、夏休みだし。

短時間ですっきり読めるので、移動中に電車の中とかで読んで、残りの夏に憧憬を抱くのもいいと思います。

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