「クソバカ高校演劇」と作者様は銘打たれていますが、それは事実半分、嘘半分です。
確かに序盤は軽妙な語り口調で始まり、所々軽快なギャグが入り、お粗末な内部事情が暴露されるといった切り出し方を見ると、ドタバタ高校演劇コメディというコピーに嘘は無いようにも見えます。
しかし同時に、裏のテーマとして演劇に真剣であるが故の主要人物の苦労と葛藤とが如実に映し出されているように思います。
序盤は内部事情を暴露しているのが誰なのかという推理的な要素が面白く、物語に惹きつけられます。
そして、物語が進行するにしたがって犯人の動機や登場人物たちの想いとが巧みに演目である唐代伝奇に結びついていき、
ちょっと切ないラストへと繋がっていく構成は素晴らしいの一言。
元々呪いの物語である霍小玉伝が部員である少女たちの手によってどのような結末を迎えるのか、
ぜひ読んでみて、アナタもこの物語の先にある未来に想いを馳せてみてください!