かつて、魔女は迫害されてきた。だがそれも200年も前のこと。
世界の半分を支配する北国・ブリトニケ連合王国には、魔女と、小さな女王がいた。
女王のために、魔女は南の島の話をする。
南の島には、男女の双子がいました。
女の子の名前はエㇽダ。優れた魔法の才能を持っていました。
男の子の名前はサンガ。こちらは魔法を使えません。しかしとても仲が良い二人でした。
ある日、二人はピンチになります。助けたのは森にすむ魔女。──ところがこの魔女は、助けたお礼として「お使い」に協力しろと言ったのです!
人質としてサンガは魔女の元に、エㇽダは頑張って魔女の「お使い」を果たします。
魔女の名前はエリー。エリーは、「魔法が使えない」サンガの力を見抜いていました。サンガはエリーに弟子入りを果たします。
そんなサンガの元に、一人の少女が降って来るのです……。
触れる体温が熱くて、他の人は大丈夫なのに、目を合わせるのも姿を見られるのもなんだか恥ずかしい。平静でいられなくなって、でもなんだか気になってしまう。
好奇心で満ちて、ちょっぴり怖くて、大冒険な日々。
夢は終わり、物語も終わる。
終えた子どもは、大人になって、新たな夢と物語を子どもに見せてくれるのだろう。
飛び跳ねるようなリズムと、水滴のようにキラキラと輝く言葉で綴られる魔女のお話。
あなたも、聞いてみませんか?
南の島に魔女がいて、その島に、魔女から教えを受けてやらなくもないという少女がいて――とりあえず、これだけ知っておけば充分。
それでこの物語の世界へ旅立てます。
あとは――その芳醇な語りのままに、世界へ没入する流れに身を委ね、少女――エㇽダと共に笑ったり怒ったり、エㇽダの周りの少年たちのようにオロオロしたりアワアワしたりして過ごしておけば良いのです。
それこそが、その「楽園」の島のエチカ――決まりごとなのだから。
そして気がついたら、絶大な魔力を秘める少年や、強いのだろうけどどこかユーモラスな戦士、北の王国から来た真面目な魔女見習い、恋に愛に生きている騎士たちが登場して、物語に花を添えます。
その物語をつづる「ことば」、これがまたユニークに「なるほど」と思わせる言の葉で、その世界観をあでやかに飾り付けてくれ、目に美しく、語ると耳に快いことでしょう。
今まさに、咲いた花が果実になる如く、果てを迎えるこの物語――ご覧になってみてはいかがでしょうか。
舞台は南の島のジャングル。魔女見習いの少年少女たちの冒険を描いた物語です。
小さな島にいつからか住んでいる白い顔の『魔女』は、独自の文化や信仰を持つ島民たちから恐れられる存在。
そんな魔女に、島の少年少女が弟子入りするところからお話は始まります。
絵本のような、平易かつ独特な語り口が絶妙です。声に出して読みたいほどリズムがよく、なおかつ豊富な語彙が駆使され、島の美しい風景や魔女と子供たちの楽しいやりとりが描き出されていきます。
天真爛漫な野生児エㇽダを始め、少年少女たちはみんな成長途上。
子供から大人へと変わりゆく彼らの毎日は、思い通りに行かなかったり、甘酸っぱい想いを隠しきれなかったり、ちょっとしたことでも大騒動。
もどかしくともキラキラして、彼らの様子が鮮やかに目に浮かんできます。
ドキドキワクワク、ハラハラするシーンもあり、児童向けのお話としてもおすすめです。
さぁ、あなたも魔女たちのレッスンを覗いてみませんか?
とても読みやすくて楽しいお話です。
異世界……の中でも異色といえる、ジャングルが舞台。
登場する少年・少女たちは魔女候補生。
それぞれがいろんな魔法の修行をしたり、いろんな人物に出逢ったり、いろんなクエストをこなしたり…
たくさんのわいわいにぎやかなできごとが、まるで絵本を読み聞かせているような、親しみやすく優しい口調で語られます。
私も、今ではすっかり可愛らしいキャラクターたちの虜。
中でも、空気読まない度ナンバーワンのお元気少女・エㇽダと、彼女に出逢ってしまったためにいろいろと果てしなく巻き込まれるオオトカゲ(通称トカたん)のコンビはとびきりの秀逸!
もはやトカたんのおっかけと化してます。そのくらいイケメンなトカゲです。
まだまだ続く大騒ぎなレッスン・出逢い・魔法バトル!
かたときも目が離せません。
ぜひ、可愛らしいみんなに会いに来てくださいね♡
本作は魔法が存在する世界を舞台として、自然育ちの天真爛漫の少女が魔女と出会うことから始まる物語です。
村一番の魔法の才を持つ主人公は少し過保護気味なブラコン少女ですが、ある日森の中で出会ったショタコン魔女に大切な双子の兄を拐われてしまいます。
兄を返す条件として、魔女から呪具の材料を集めるように提示された主人公は、幼馴染の少年とともに山や森を駆け回るのでした。
全体的に平易な表現や平仮名が多用されており、絵本や児童文学のような雰囲気を醸し出しています。
また、1話あたりが短く、スラスラと読みすすめることが出来ると思います。
長編作品ということなので、今後どのような展開を迎えるのか楽しみです。