第241話 ロイメの冒険者達
本日2話目です。
いろいろとすったもんだあって。
結局バーディーは、『雷の尾』に入った。
悩んでいたバーディーに『鋼の仲間』の教官は、
「糞バカ野郎が!
とっっとと!
出て行きやがれー!!」
と言ったらしい。
トビアスさんは
「『鋼の仲間』の知り合いが、今度飯を奢れって言われたよ」
とぼやいている。
スミマセン。
今度、僕が飯をおごります。
メリアンは、ザクリー・クランマスターから、モップ掛けの助手を辞めるように言われた。
クビを宣告されたメリアンは、一瞬涙目だった。
が、新しい助手を見て、ニヤッと笑い……、余裕を取り戻した。
想像がつくと思うが、ザクリー・クランマスターの新しい助手はバーディーである。
「人生には修行時代が必要でな」
ザクリー・クランマスターは言った。
「僕はモップ掛けは必要ないんですか?」
僕はザクリー・クランマスターに聞いてみた。
「クリフ・カストナーには別の修行が必要だよ」
ザクリー・クランマスターは答えた。
うーん。何だろう?
バーディーは『雷の尾』の一員としても活動をはじめている。
ハロルドさんは、ソズンさんに、バーディーにはどんなトレーニングが必要か相談している。
「
ダグは、でかい声で言って回っている。
ユーフェミアさんはまだ戻って来ない。
ただ、ユーフェミアさんから『青き階段』宛で手紙が届いた。
サットンの村の高利貸しの件は無事片付いた。
そして、運良くというべきか、運悪くというべきか、帰る途中でレイラさんが悪党どもを発見した。
今、4人で人身売買組織を追いかけている最中らしい。
トビアスさんの予想が当たった。
王国の悪党どもにとって、災厄の季節になりそうだ。
手紙には、なるべく早く決着をつけて帰るつもりだと結んであった。
リーダーとして、暇になったメリアンを遊ばせておくわけにはいかない。
「メリアン、魔術師クランに入れよ。
空いた時間で、論文書いて、さらに勉強して……」
「ハァァー」
テーブルの斜め向かいに座っていたメリアンは、盛大にため息をついた。
僕は本気だ。
メリアンは19歳で中級治癒術が使えるのだ。
これから、ダンジョンの第四層や第五層に潜って、濃いマナに触れ、魔術適性を高めていくだろう。
勉強と修行次第では、上級治癒術!が使えるようになる可能性もあるのだ。
「メリアン、あのさ、」
「うるさいわね、クリフ。
私だって考えてるわよ。
魔術師クランに入るし、
論文も書いて赤毛女の鼻をあかしてやるし、
いつか上級治癒術だって使えるようになってみせるわよ!」
メリアンは立ち上がり、宣言した。
「メリアン、カッコいい!」
キンバリーが言う。
「良いと思うぞ」
コイチロウさん。
「メリアン殿の魔術のレベルが上がれば、更に『三槍の誓い』は強くなるぞ」
コジロウさん。
逃げ道を塞がれたメリアンは軽くため息をついた。
「論文なら、俺も手伝うぞ。
資料を調べるにも、荷物運びにでも、存分に使ってくれ」
コサブロウさん。
「お前に書類仕事ができるものか!」
コイチロウさん。
「コサブロウでは、俺と同レベルではないか!」
コジロウさん。
僕はいいことを思いついた。
「良ければ、みなさん手伝って下さい。
論文のために、魔術師クランの開架書庫の資料を調べる作業があるんです。
皆でやれば1日で終わります」
テーブルには、ビミョーにげっそりした5つの顔があった。
キンバリーまで!
そんなわけで、僕達は魔術師クランに6人で向かうところだ。
人の出は多い。
ダンジョンが開いてロイメの町は景気が良いのだ。
途中何組もの冒険者パーティーとすれ違った。
これからダンジョンに行くパーティー。
魔石を取って、これから打ち上げのパーティー。
橋から見る運河には、何隻もの魔術船が人を乗せ、積み荷を載せ、運行している。
ロイメは、地上と
これにて、(とりあえずの)完結です。
ここまで読んて下さった方々、本当にありがとうございます( ;∀;)。
ついでに、最後にお願いです!
よろしければ、☆を1つでも2つでも良いので入れて下さい!
【完結】攻撃魔法が苦手で追放された陰キャ防御魔術師のパーティー経営~冒険は金策と人事である〜 ミンミンこおろぎ @aosatoimo
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