第40話 年下の上司



弊社の話




今現在、俺は咲宮さんの仕事のヘルプに入る形になっているが・・・



「それでは、これお願いします」



ヘルプどころか、『咲宮さんが自分の上司』みたいな状況になっている。



「スケジュール、キツかったら言って下さいね」



上司としてのフォローも完璧なので、全く不満は無い。




$$$





「男の人って・・・年下に命令されるの・・・メンツとかあって『嫌な思い』しますよね!」




「これは、知り合いの話なんですけど!」



龍宮寺は、トーカさんからのメッセージを読みながら、ため息をつく。


(あー、これワッシーの話ね)


知り合いの話を連呼するトーカさんに呆れつつ、龍宮寺は、おおよその事態を察する。



翌日、



帰りの電車でワッシーと乗り合わせたので、それとなく近況を聞いてみる。



「へいへい、最近どうよ?」



肘でぐいぐい脇腹つついてくる龍宮寺はとても馴れ馴れしい。


龍宮寺は鷲尾に色々聞き出そうとするが、どうも仕事関係の情報の『端切れが悪い』。


何か隠そうとしている様な・・・


やっぱりトーカさんのいう様に『男のプライド』とかいう奴(笑)が傷ついているのだろうか?


最後の別れ際、ワッシーがぼそっと漏らす。



「なんかさ・・・『年下の上司』って良いよな」




・・・ん?




常ならば、

龍宮寺は『わかるー』とか『それな!』とか言っただろう。


(この人・・・むしろこの状況を喜んで、いや『悦んで』るッ)


確かに、トーカさんに「この無能が」なんて冷たい目で、なじられたら、ちょっと興奮するけれども!するけれども!



(・・・そんな姿勢で大丈夫か)



龍宮寺はむしろ心配になった。




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クソゲーと評価されてるソシャゲをコツコツ続けてたら、美人新入社員にも、通勤女子高生にも、取引先の美人社長にも好かれた件 @haidoroponnpu

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