第39話 バスケの後



咲宮は、鷲尾達と別れ、自宅のアパートへ戻る。




脱衣所で服を脱ぐ。

汗をかいた服は肌に張り付いて、脱ぎづらい。


(河辺まで行くのに〇〇カロリー・・・、あのプレーで〇〇カロリー、あのシュートで〇〇カロリー・・・)


今日動いた動作の一つ一つを思い返して計算して・・・一糸纏わぬ姿で、体重計に乗る。



「・・・」



薄目、片目で数値を見る。

(よし、マイナス400グラム、計算ぴったり)

小さくガッツポーズして、シャワーを浴びてお風呂に入る。



ふー・・・



膝を抱えながら、一息つく。

(今日は・・・楽しかったな)


思い返せば、

とっつきづらい自身の性格・・・

友達はあまり居た事も無い。



鷲尾さんは、普通にバスケが上手で、勉強になる。



鷲尾とのプレーを思い返す。



・・・



近くにある鷲尾の胸板、

若い同年代の背の高い異性・・・


・・・ッ!!



駄目だ駄目だ。

鷲尾さんは真剣にバスケに取り組んでいるのに、私がそんな『ふしだら』でどうする。


咲宮橙花は、気を取り直す。





$$$





河辺、夕刻



龍宮寺と鷲尾は、牛丼チェーン店で夕食を取る。


「今日もシュートミス多かったな・・・」


特に咲宮さんとやると、もう舞い上がってしまう。



「わかるよ、わっしー、咲宮さんの『圧』は、女の子私でも、うおって、なるし・・・」



圧・・・



(咲宮さんが『真摯に』バスケに取り組んでいるのに、俺って奴は・・・)


そんな事をぼんやり考えながら、二人は牛肉とご飯を口に運ぶ。



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