第2話 出会いの青
ーこんな所に、子供?ー
少年や周囲の人間とは違い
綺麗に編まれた服装の少女が、そこに立っていた
思わず少年は逃げの体勢に入った
歯はガタガタ震え上がり
死んだ目が大きく開き冷や汗だ流れ出す
ー嫌だ!僕は化け物なんかじゃない!ー
少女を置いて少年は走って逃げた
=お前なんか人間じゃねぇんだよ!=
=お前に生きる資格なんてねぇ!=
=あんたなんか産まなきゃ良かった!=
=虚だ!逃げろー!=
=やい、化け物!正義の鉄槌を喰らえぇ!=
震え上がった足で森を駆ける
そして少年は足を捻り、コケしまう
少年はその場に蹲る
ーだっ、大丈夫?ー
少女は追い付いていた
少年は走る事も出来ず怯えた子羊の様に
座ったまま後退るしか出来なかった
恐怖の記憶が少年を駆け抜けて行く
ー足捻ったんじゃない?結構腫れてるわよ?ー
少女が差しのべた手を反射的に振り払う
その手は震え、弱々しいものだった
上半分の視界がほぼボサボサの髪の毛でボヤけている為
双方は互いが誰なのか判別ができていない
少女にはボロボロの服を着た子供としか判別出来ず
少年は知識の無さも相まって人が来たとしか理解出来なかった
読者からすると「モノクロ」と言った方が
分かりやすいかもしれない
人が来た、と言っても具体的なシルエットの
判断は何一つ出来ないのだった
そう、少女が女の子である事ですらも
どんな服装をしているのかも
ーもう、遠慮しないの。歩くことも出来てないじゃない。ほら、ちゃんと見せて?ー
少女は言葉を紡ぐのみで今度は何もせずに微笑んで見せた
その意外な行動に驚いた少年は少し戸惑いを見せたが諦めたのか安心したのかそのまま気絶してしまった
ーえ、え!?どういう事!?…まあ、ここでやっても仕方ないし、街の宿屋でしましようかしらー
少女は少年を抱き抱え街に向かって歩き出した
ーーその空は澄み切るほど青かったーー
虚ろの瞳 常夜零 @Kudrafuka
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