武勇、用兵ともに最強の武人現る……対するは、戦嫌いの青年将校

レイティス王国とボッサム帝国の争いが継続すること幾星霜。
それまで拮抗していたパワーバランスだったが、一人の帝国軍人の台頭がすべてを一変させた。

男の名はクレイド。
その勇将は桁外れの武勇と豪放な用兵をもって、戦うごとに王国側の名だたる司令官たちを屠っていく。
途端に人材不足に陥った王国側は、一人の青年将校を抜擢する。

彼の名はミゲル。
戦嫌いを自認する彼は、それでも目指すべき展望のため、策を練り、人材を集めて、稀代の猛者に勝利する決意と準備を固めていく。

風呂敷を広げ過ぎず、ちょうど良い塩梅で固めた硬派な作品です。
戦術描写を含めて手堅い文章に、それぞれの領分を逸脱しないキャラクター構成が魅力的。それでいて戦記のロマンのツボを押さえた、安定感をもって読み進められる良作です。

一週間程度で読める文章量ですので、是非にもお手に取ってもらいたいと思います。
決して後悔させない作品です。